夢を見破る ＊26 ページ26
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「ごめん、もう限界…思い出してよ…僕たちの事…ねぇ、お嬢様…」
抱きしめた私の肩に頭をグリグリと押し付け悲痛な叫びを漏らす悪魔。
肩にじわじわと伝わる湿り気は彼が泣いている事を示唆していた。
｢坂田さん、私は……｣
私のことを”お嬢様”と呼ぶ坂田さんになんて返したらいいのか分からない。
｢違う、違うよ、お嬢様は坂田”さん”なんて他人行儀な呼び方しない。ねぇ…”坂田”って呼んでよ…今までみたいに…僕に、笑い、かけてよ…｣
言葉と共にさっきより強く抱きしめられた私は反動で意図せず小さな呻き声をあげた。
男性元より悪魔に力いっぱい抱きしめられてる状態はとても苦しく、全身の骨と肺が軋むような圧迫感に大袈裟でなく命の危機を感じる。
｢さ…かた…くるし…｣
なけなしの力で精一杯背中を叩き、掠れた声を出すが私の言葉は届かないのか拘束は弱まることはなくむしろ強まる一方だった。
苦しくて辛くて視界が霞む。
痛みから意識が遠のき目にじんわりと涙が膜を貼った。
｢坂田、そこまでにしとき。｣
唐突に聞こえてきた第三者の声と、自分のものでは無い力に強く引っ張られる感覚が遠のいた意識を急に覚醒させる。
力の方へ視線を向けると、黄色い瞳が”もう大丈夫”と言わんばかりに私へ微笑みかけた。
坂田さんの腕から抜け出した私は堪らずその場に倒れ込み一気に流れ込んでくる空気に肺が追いつかず かはっ、けほっと何度も咳き込んだ。
苦しそうに蹲って咳き込む私を見た坂田さんは、放心した状態から一変し慌てて私に駆け寄る。
咳き込む私の肩に手を伸ばすがすんでのところでセンラさんがその手を制止し代わりにその大きな手で私の呼吸に合わせ背中を優しく擦った。
制止されたことに傷ついたのか坂田さんが短く息を飲み、差し出したままの手を力強く握る。
｢Aごめんな、痛かったよな…苦しかったよな…俺……ほんまにごめん…。｣
｢ほんまですよ坂田。Aは人間。1歩加減を間違えればあのまま圧死してたかもしれない。お前は何度その暴走でAを殺そうとしたら気が済むんですか。｣
俯いた私には2人がどんな表情をしているかは分からないが背中を撫でる手の暖かさと優しさとは裏腹にセンラさんの言葉は冷ややかで鋭く感じた。
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悠永@D姫終焉章連載中(プロフ) - Famiraさん» コメントありがとうございます！😊 この頃更新が中々出来ずに大変申し訳ございません。頑張って続きを書いていくのでどうか最後までお付き合い頂けたらと思います！ (2023年4月17日 16時) (
レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
Famira - とってもおもしろいです！！続きが気になります！応援してます！ (2023年4月12日 19時) (レス) id: 1bc63f0a03 (このIDを非表示/違反報告)
悠永@D姫終焉章連載中(プロフ) - 笹音さん» 嬉しいコメントをありがとうございます😭💕期待にお応えできる様になるべく更新頻度を落とさずに頑張りますね (2023年4月4日 20時) (レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
笹音(プロフ) - めっちゃ気になるぅ！早く続きをみたいです！ (2023年4月3日 18時) (レス) @page12 id: bd99ba81f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠永 | 作成日時：2023年2月7日 11時
