夢を見破る ページ1
喉の奥がグッと狭くなってうまく息が吸えない。
何もないはずの私の首元を指差す男の目はジッと私を見据えて動かない。
彼の瞳は深海の様に深く濃い青色でどこまで行っても底が見えない。まるで彼の心の奥を映している様にも感じた。
気怠げな表情の中に目線だけはグッと力強く、揺れ動くことなく見つめる瞳になんだかバツが悪くて私から目を逸らす。
目の前の男の言っている事が分からない。
厳密には意味の理解が及ばない…
“悪魔”…は分かる。きっと彼らのことだ。
(じゃぁ”紋章”は？紋章…ってなんのこと…？)
「ど…いう意味ですか？」
呼吸を落ち着けやっとの思いで口から出た言葉。
あえて何に対しての意味なのかについては口にしなかった。
聞きたいことなんてたくさんあるのにどこか威圧的な目に憚られて思う様に口が回らない。
勇気を出した私の質問。
どんな解答が返ってくるのか心臓が大きく跳ね続ける。
「俺の言ってること本当に分からない?それともしらばっくれてる?」
彼から返ってきたのは望んだ様な答えではなく
質問に質問が返されただけだった。
どう答えたらいいのかわからない質問に思わず押し黙ってしまう
しばらくの沈黙の後
“まぁ、どっちでもいいや”と呟きながらさも面倒くさげに後ろ頭を掻いて男はため息をつく。
その仕草はまるで志麻さんを彷彿とさせて後ろめたさから、さらに嫌な汗が背中を伝う感覚がした。
この空間においてこれ以上何も進展はないと結論づけたのか何も言わずに立ちすくむ私を一瞥して男は靴を履き替え外に向かって歩き出す。
咄嗟に目の前の男を引き止めようと彼の背中に向かってできる限り大きく”あのッ…！”と声を発する。
その声に一度踏み出した足がピタリと止まり、私の反応を待っていたかの様に小さくフッと男は笑った。
「俺の言ってること、本当に知りたいなら明日の放課後、西校舎3階の社会科準備室に来なよ」
続け様にこう言葉を残し振り返らず私の前から去っていく。
男の姿が見えなくなった後も放心状態でしばらくその場を動けずにいた私は鳴り出したチャイムの音にハッとして校舎を後にした。
その日一日中そのことばかりを考えて睡眠不足になった事は言うまでもない。
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悠永@D姫終焉章連載中(プロフ) - Famiraさん» コメントありがとうございます！😊 この頃更新が中々出来ずに大変申し訳ございません。頑張って続きを書いていくのでどうか最後までお付き合い頂けたらと思います！ (2023年4月17日 16時) (
レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
Famira - とってもおもしろいです！！続きが気になります！応援してます！ (2023年4月12日 19時) (レス) id: 1bc63f0a03 (このIDを非表示/違反報告)
悠永@D姫終焉章連載中(プロフ) - 笹音さん» 嬉しいコメントをありがとうございます😭💕期待にお応えできる様になるべく更新頻度を落とさずに頑張りますね (2023年4月4日 20時) (レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
笹音(プロフ) - めっちゃ気になるぅ！早く続きをみたいです！ (2023年4月3日 18時) (レス) @page12 id: bd99ba81f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠永 | 作成日時：2023年2月7日 11時
