Diabla姫と悪魔執事【u/s/s/s】 (ページ10)

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夢を夢見るページ10

勢いよく夢から覚めた。

いつもと変わらない私の部屋。
部屋からは朝日が差し込んでいて少し肌寒い。
オレンジ色の空も、お城も無かった。

夢の時のような胸の痛みはないがまだ呼吸が乱れている。
肩のあたりには自分のとは違う温もりがあり、
夢の出来事がどこか本当のことように感じた。

意識を失う手前に誰かに抱きしめられた。
大きなお城も、4人の人影も、瞳の輝きも全て覚えている。

そして

「また会おうぜ、何度だって、夢で」

やけに鮮明に耳に残っている声。
目を閉じる前にぼんやりと見えた姿は緑色の光だった。

また会おう

何度だって

彼はそう言った。

夢の彼らも、あの場所も、きっと私は知っているんだ。
でも分からない、知っているはずなのに覚えていない。
思い出そうとすると胸がザワザワして考えることを放棄したくなる。

「また会えたら…」

(そうしたら何かが、分かるのかな…)

部屋の窓から外を覗く。
いつもと変わらない風景に安堵か不満か
私はため息を1つついた
また何の変哲もない11月1日が始まる。

きっとまた私はハロウィンで出会う
彼らに想いを馳せた。

だって、彼は”また会おう”と言ったのだから…ー