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2度目の夢 ＊4 “また夢で…” ページ9
先ほどまで何もなかった霧の先に4色の光がそこにあった。
(光…だけじゃない…人影…？)
緑、紫、赤、黄
それぞれの光は、それぞれの目から放たれているものだと気づく。
少しずつ霧が晴れていく。
晴れた霧の先に居たのは人の形をした異形だった。
皆似たような闇よりも深い黒色と血のように赤い緋色、ルビィのように紅く輝く宝石を散りばめた服を着ている。
しかしある者達は漆黒の翼、ある者は角を生やし、ある者は蛇のような鱗を纏っている。
そして、それぞれの放つ怪しい目の光が、それらがこの世の物では無いことを容易に悟らせる。
ふと紫色の目と視線が合う。
(逃げなきゃ…)
「!!!?」
本能ではこの状態が危ないことが分かっているのに
どうしても体が硬直したように動かない。
「まるで蛇に睨まれた蛙やな」
紫の瞳は可笑しそうに笑う。
他の瞳も楽しそうに、若干の高揚を孕んだ目に弧を描いている。
分からない、言っていることが
なぜ彼らが笑っているのか、嬉しそうなのか
ドクンッ…_
途端に心臓が大きな音をたてた。
「かはッ…」
胸が苦しい、頭も殴られたみたいに痛い
立ってられない
意識を手放すように私はその場に崩れ落ちた。
そんな私を誰かが抱き寄せて
嬉しそうに呟いた。
「また会おうぜ、何度だって、夢で」
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作者名：悠永 | 作成日時：2022年11月2日 12時
