Diabla姫と悪魔執事【u/s/s/s】 (ページ7)

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2度目の夢＊2 ページ7

小さなたぬきを追って一本道を歩く。

先程よりも少し日が落ちたのか
空はオレンジ色と紫色が混ざりあったような色に変わっていく。

ジャックオーランタンの中で揺らめく炎だけが道を照らしていた。

たぬきを見失わないよう、よそ見は最低限に歩き続けた。

ふと、先程まであった土の道とは違う感覚を感じた。
コンクリートで舗装された道に合流したらしい。
足元ばかりに気を取られていたから、急な道の変化に驚き

私は顔を上げる。

「ここ………」

顔を上げた私が見たものは
月を覆い隠すように聳える大きなお城。

要塞にも見えるそのお城の手前には大の大人でもビクともしなさそうな鉄格子の門が立っていた。

ふとたぬきの存在を思い出し当たりを見渡すと
たぬきは門の鉄格子の間を通り抜けたのか
いつの間にか、お城へ続く赤いカーペットの敷かれた道を優雅に歩いていた。

(置いていかれちゃう…！)

焦る気持ちで門の鉄格子に触れる。

「重っ…い…」

想像通り押しても引いてもビクともしない。

小学生の私には門を力づくで開けることは無理そうだ。
かといってさっきのたぬきのように鉄格子の間を通り抜けるには格子の間が狭すぎる…。

(どうしよう…)

鉄格子を握りしめ、どうにか開ける方法を考える。
もう一度力を込めて押したり引いたりするも
やはり鉄格子は1ミリも動かなかった。

(お願い…置いていかないで…開いて…!!)

強く心の中で叫んだ。
その瞬間、力の入った手が何かを押す。

(え…？)