エロスな愛 ＊12 ページ43
私が発した『好き』というワードにピクリと反応したように、ユラユラ揺れていた体は突然ピタリと止まる。
そして何やら険しい顔つきになる志麻さん
私はそんな志麻さんの変化に気づき声をかけようとする
「志麻さ「その友達って女?」
被せるような志麻さんの質問に苛立ちを感じる。
何だかバツが悪く感じるも私は素直に答えた
「そうですけど…、男女間の友情も成立するので友達の中には男子もいますよ？」
正直に答えると志麻さんはより一層眉間のシワを濃くする
そして私に吐き捨てるよう
「ふーん、好きな”オトコ”がいるってことか」
と冷たい目で言い放つ。
志麻さんは友情と恋情が別物ということを誤解している
というか、理解出来ていないようだ
しかし”好きなオトコ”というワードのせいで
友達という関係では言い表せないクラスの男の子を思い出し
みるみるうちに顔が熱くなるのを感じる
志麻さんはそんな私の変化を見過ごすわけがなく
“否定も肯定もしねぇのかよ”と呟き、小さく舌打ちをした
私の左手首を力強く握り
自分の方へ引き寄せる
急に引き寄せられたことにびっくりして
抵抗も出来ず私は彼の胸へと飛び込んだ
タックルをするように志麻さんの胸板に向かって飛び込んだというのに志麻さんはビクともしなかった
聞こえてくる志麻さんの心臓の鼓動が早くて
釣られるように私の心臓も早鐘を鳴らす
大きな両手で顔を捕まれ、強制的に上を向くと
そこには志麻さんのキレイな顔があった
あと数センチで唇同士がぶつかってしまいそうなほど近い距離感に思わず顔を逸らそうとするも大きな両手が顔をがっちりとホールドしていて逃げられない。
志麻さんの瞳は私を真っ直ぐに見つめている
瞳を介して私の全てを見透かされそうな感覚
永遠のようにも感じられたその時間
熱を孕んだ吐息を零し
志麻さんは囁くように言葉を紡ぐ
「その目に焼き付けてよーく覚えとけ、
ちんちくりんのガキより俺の方がいい”オトコ”やってな」
“ばーか”
そう呟くと志麻さんは私に触れるだけのキスをした
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作者名：悠永 | 作成日時：2022年11月2日 12時
