Diabla姫と悪魔執事【u/s/s/s】 (ページ40)

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エロスな愛＊9 ページ40

「志麻さん…それは？」
「………」

私が聞くも志麻さんは答えない
それどころか顔を俯かせてしまった

お互いに黙ったままの時間が数分以上続き
このままでも埒が開かないと思い再び声をかけようとした時、志麻さんが小さく呟いた。

「…………………………ﾙｶｯﾀ」
「えっと………あの…？」

よく耳を傾けようと少し志麻さんに顔を寄せる

予想外の私の行動に驚いた志麻さんは一歩後退り
「あ”ぁ”ーーーーｸｿッ」と1人でに吐き出す。

そして顔を上げ私をまっすぐ見た。

「だから!!!悪かったって言ってんだよ!」

その顔は今までに見たどの志麻さんの様子とは違い
真っ赤で、瞳は落ち着きがなく揺れていた。

彼が何に対して私に謝罪をしているのか分からない…

とりあえず私は志麻さんの次の言葉を待った。

「……主人のこと聞いてきた時、お前が何かを察して俺を気にかけてくれたのは伝わってきた。それなのに俺は見透かされたような気がして、突き放すような言い方した。悪かった。」

さっきはまるで拗ねた子供のように目を逸らしボソボソと謝っていた志麻さんが、今度は真っ直ぐに私を見据え謝罪の言葉を述べる。

その言葉に私は胸が熱くなる

出会って間もない私を食糧庫まで探しにきてくれたこと
ねずみに驚いた私の手をひいてくれたこと
他人を揶揄ってニヤリと笑う悪戯っ子なとこ
絶対王政なくせに人の表情をよく見ているとこ

自分が人を傷つけたと感じたら
不器用でもしっかりと謝ってくれるとこ

この人の真っ直ぐなところが好きだ

素直にそう思った。

「いいんですよ、そんなの」

自然と許しの言葉が口から出た

「仲直りしましょ、志麻さん。
そもそも怒ってないですけどね」

志麻さんの両手はボトルとグラスで塞がっていて
仲直りの握手はできなかった。

だから

握手の代わりに

私はこの上ない笑顔を彼に向ける

大丈夫だよって伝わるように

「ほんま、お前には敵わんな…」

私の笑顔に釣られて志麻さんは初めて笑った