Diabla姫と悪魔執事【u/s/s/s】 (ページ22)

今日:14 hit、昨日:8 hit、合計:33,825 hit

プラグマな愛＊1 ページ22

—side:センラ—

今年もハロウィンがやって来た。
Aに会えるのは年に一度。

初めて会った少女は幼げでとても小さく、大きな瞳に溢れそうなほどの涙をいっぱいに溜めていた。
僕らの声を聞いて最初は驚いていたものの、涙を乱暴に袖で拭い何かを決心したかのように短い二つ結びを揺らして暗闇の中を懸命に歩く。

その真っ直ぐな横顔がどこか凛としていたことが印象的だった。

彼女は今年、人間の年齢でいうところの10歳。
初めて対面したのが3年前と考えるとなかなかに感慨深いものがある。

僕はベッドの縁に腰掛け
横で眠る彼女を見つめる。

僕は世の男性の中でも平均より少し身長が高い。
そのこともあり、圧倒的な身長差自体は埋まらないが、それでも少しだけAの背が伸びたように感じた。

闇のように暗く艶やかな髪は二つ結びを辞めてセミロングほどの長さになっている。

閉じていて強調されているまつ毛の長さ、
寝息の漏れる唇の薄さ
あどけなさが残るその寝顔。

纏う雰囲気も少女から少しずつ女性に変わろうとしていた。

見れば見るほど

知れば知るほどに

自分の知っている少女が内から、外から、変わっていく。

僕は漆黒の髪を1束手に取りキスをした。

「ほんまに、女性ってのは恐ろしい生き物ですね」

“何度だって男(ぼく)を魅了するのだから”