Diabla姫と悪魔執事【u/s/s/s】 (ページ17)

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3度目の夢＊3 ページ17

絵画の近くにある燭台に照らされて綺麗な黄色の髪が光った。

彼は絵画の女性を憂いを帯びた瞳で見つめている。
階段の下、エントランス部分から絵画と彼を見ていた私は、一瞬息をすることを忘れた。

「……きれい…」

芸術のアレコレを知らない私だが
絵画の女性を見つめる彼の姿が
彼そのものが芸術作品のように思えた

ため息をつくように出た独り言は彼の耳に届いたようで彼は迷いもせず私の方を向く、

「…！」

振り返った彼の目は光を放っていた。
蜂蜜のように濃く、深い、シトリンのようなその瞳は私を真っ直ぐに見つめ

そして微笑んだ。

微笑まれた瞬間、私はその場から動けなくなった。焦って足元を見るが変わった様子は無い

もう一度彼が居た方向に顔を向けると、

「え…！？だってさっきまであそこに…」

そこに彼の姿は無かった。

彼の姿が無いことに驚くと同時に体が動くようになる。

「うぁっ……」

硬直を解こうと力を入れていたことと驚いた反動で私はその場で派手に転ぶ。
カーペットの上だったから怪我はなかったが
おしりと手の平を思いっきりついてしまった。

「…痛っ」

起き上がれはしたがまだ痛みがあるため走れない。
先程の彼を追いかけることは出来なさそうだ。

あわよくば彼に会って話がしたい
彼じゃなくても誰かと話が出来たら…

淡い期待を持ちながら薄暗い廊下を歩きだした。