【3年A組】先生、私手伝います。【2】 (ページ1)

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「どう？考えまとまった？」

そう言いながら教室に入ってくる
先生。
そして、俯くさくらに顔を近付けた。
もう少し時間が欲しいと言おうとした彼女の言葉を遮って口を開く。

「八時までもう時間がない。
答えられなきゃ、この教室ごと木っ端微塵になるぞ」

しんと静まり返る教室。
だがすぐに香帆がさくらに向けて言った。

「さっきの言えばいいんじゃない？」

「私もあれでいいと思うけど」

それに続けて、諏訪も肯定した。
各々から賛成だと声が上がる。
香帆たちが言う『さっきの』というのはきっとドーピングのことについてだろう。

けどさくらは知っている。
澪奈がそんなことはやっていないということを。
だからこそ、今そのことについて先生に言うべきか否か迷っているのだろう。

「さっさと言えよ！！」

甲斐が自分の机を思い切り蹴る。
さくらが口を開いた。

「…景山澪奈は、今年の全国大会でドーピングしたことが
バレて自殺した」

「それがお前の答えか」

そう問う先生の言葉にさくらの顔色は
どんどん悪くなっていく。

「本当にそれでいいんだな」

「しつけーな、良いに決まって…」

決まってんだろ、そういう前に
私は叫んだ。

「さくらに聞いてんだ！」

「お前が、景山の何を見てきて、何を見てなかったのか。
よく考えるんだ」

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