【3年A組】先生、私 手伝います。

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「今から皆さんには、
人質になってもらいます」


しんと静まり返る教室。
先生の放った言葉に皆 ポカンとしていた。




「どういうことですか？」

「俺の目的が達成するまで
皆にはこの教室にいてもらう」


私は皆の反応を伺うかのようにグルリと辺りを見回した。
再びポカンとする皆。
ここで本気で怖がるならよし、そうでなければ…

そして 数秒後。
教室に響く笑い声。




「ぶっきー、スベッちゃったね！」

「卒業式前だから浮かれてるんだよねー？
いいよ いいよ！そういう ぶっきー嫌いじゃないよ？」

私は誰にもバレない程度に ため息を吐いた。
彼ら自身は楽しんでいるのだろうが…残念ながら先生は本気で皆に
人質になってもらおうとしている。

冗談なんかじゃない。



「ねえ、もしかしてさァ…
卒業に関わる重要な話ってこれ？
このために全員出席するよう呼びかけたの？」

「そうだよ」


「なんだよ。そんなことなら家で寝ときゃあ良かった」

「アホらし…帰るぞ」


甲斐は鞄を持って帰ろうとした。
だが彼は忘れている。



「扉は開かないよ。
特殊な鍵をかけたから」

もうてめェらは先生の手のひらの上で
踊らされているっつうことをな。



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