君に一番のキラめきを

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やっぱり強いな…ベイスターズは。




3連戦の最終日、カープはベイスターズに1点のリードを許している。




1勝1敗で迎えたこの試合。絶対に負けられない。






9回の表、この回に同点に追い付かなければ負けてしまう。





せっかく今日スタジアムまで応援に来てくれたファンの皆さんのため、負けるわけにはいかないんだ。







｢調子のええAならチャンスメイク出来るやろ？｣




｢絶対にチャンスメイクしないといけない場面だからね｣





｢あんまり気負い過ぎないようにねAちゃん｣





ちょーさんが私の背中をポンっと叩いて気持ちを和らげてくれる。




相変わらず優しくて大きな手。








どんな事があってもちょーさんがいるから安心出来る、思いきってプレー出来る。





｢…絶対に、私が道を切り開く……｣






私はやらなければいけない。






チームの為にも、ファンの為にも……次の試合の為にも……あの人を見返すためにも






"水瀬ぇぇ！！"



"絶対勝つぞカープ！！！"



"Aちゃんお願い！"






いつ、どこで見ても真っ赤にスタンドを染めてくれるファンの皆さんに届け…私のキラめき。







ビジターでも、圧倒的不利な場面でも諦めない…諦めたくない。







あんなに嫌いだったバッターボックス。






今はここに立つことに幸せと喜びを感じてる。








｢…さ、カープの野球はここからっ……｣







、







、









3球目の内角に甘めに入ったボールを私は逃さなかった。








一二塁間を綺麗に抜けていく白球。






赤いスタンドから聞こえる大きな歓声、ベンチから感じる諦めない気持ち。







｢誠也くん…私に続かないと怒るよ……｣





一塁上でニヤリと笑みをこぼしながらバッターボックスに立つ誠也くんを見つめる。






魅せてね、4番の底力。






てか、ベイスターズにもカープファンの皆さんにもみせてあげようよ、私、誠也くん、龍馬くんの同級生トリオの力を。






私はホームに帰る気しかないから。









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