君に一番のキラめきを

22 ページ23

....




高くうち上がった球はセカンドの方に飛んでいった。




キクさんが両手を上げてしっかりとキャッチ。





試合終了。







私は移籍後初めて試合に出て勝つことが出来た。
久しぶりにタイムリーを放ち、チームに貢献することも出来た。




｢Aこっちこっち！｣





龍馬くんと誠也くんが私を手招きする。





｢え、何するの…｣




｢え、知らへんの？勝ったときに外野手3人でちょっと色々やるんやけど…｣




｢ヒップタッチとかしてたの知らない？｣





｢あ〜、あれ…私はパス…｣






私はさっさとベンチの方に走ろうとしたが、誠也くんに首根っこを捕まれて…。





｢やるでしょ？もちろん(圧)｣






物凄くいい笑顔を私に向けて、なんとなく察した。これは拒否権は私に無いのだと。





私はしぶしぶ受け入れた。





飛ばすに軽く、3人でお尻を合わすだけのヒップタッチ




｢次はヒップタッチ以外でお願いします…｣




考えとくわ〜とニコニコしながら言う龍馬くん。絶対別のことなんて考えないでしょ！





さて帰りましょと思い、ベンチに戻ると河内さんにヒロインよろしく！と半ば強引に頼まれた。







しかも私一人で。







｢…人前で話すの無理なんですよ、河内さーん……｣







、









、









＿＿＿それでは、今日のヒーロー…いや、ヒロインインタビューは水瀬A選手です！






語録悪っ…とか突っ込んだら負け気がする……。







｢初めまして…水瀬です……｣






ぶわぁぁっと歓声が上がる。







全てが私に対する歓声だと思うと嬉しくて、思わず泣いてしまいそうになる。







＿＿＿＿＿まずは、移籍後初タイムリー…感触はいかがでしたか？






｢…えと……正直、全く覚えてないです……小園くんをかえさなきゃってことで精一杯でした｣





あはは…とファンの笑い声が聞こえる。





本当に覚えてないんです。ごめんなさい。






、




、








＿＿＿＿それでは最後にファンに向けてお願いします！







｢はい……えっと、改めましてジャイアンツから来ました水瀬Aです。


……不慣れな事がまだ多いので、失敗することもあると思います。


でも、必ず誰にも負けないくらいキラめいて魅せます…応援よろしくお願いします！｣






おぉぉぉ〜〜！！




ファンの歓声が聞こえた瞬間だった。







｢にひひっ｣






｢冷たっ…｣







水が降ってきたのは


...

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す