若鯉ちゃんはバンドリーマー

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私が見てた、広島東洋カープはとても弱くて…市民球場はいつもガラカラで…、ヤジなんて日常茶飯事の事だった。








でも、そんな弱くて、いつも負けているカープに広島県民は全力でカープを応援してた。






新井さんがエラーしたら、ヤジる…けど、そのヤジをたくさん、たくさん聞いて新井さんは強くなった。






新井さんはいつもユニフォームを泥だらけにしながら戦ってた。






周りからみたら、そんな弱くて泥臭いチームのどこがいいの？と思うかもしれない。






でも、私はそんな泥臭くても、失敗しても、全力で試合に挑むカープが好きだった。






チームが合併する危機に陥った時はファンが支えて…、







チームとファンの距離は他のチームと比べても圧倒的にカープが近くて、強い絆で結ばれてるそんな感じがした。







それは、きっと今もそうなんだけど…






｢どしたんじゃ、A？そんなにスタジアムをぐるっと見回して｣





｢いや、すごく変わったなっと思って｣





｢あぁ、赤が増えたよ。地元でも、どこでも｣






それも、そうなんですけど。






ピッチャーがピンチになればファンが頑張れと拍手をして、



ヤジ？最近は生々しいヤツは聞かなくなったよね。






｢ファンが増えるのは嬉しいことなんですけどね、ちょっと悪ふざけが過ぎる人もいるから｣




｢あー、それは分かるわ…。他のチームに迷惑かけたりな｣






そうですよ、それがなければいいんですけどね。







でも、一部の優しくて礼儀正しいファンの方はすごくキラキラしてて、






私は、このファンのお陰で今までやってこれたんだなって…改めて思う。






ゲーム(ガルパ)とかにも一部のマナーの悪い人はいる。






そんなマナーが悪くて周りに迷惑をかけてるんだよってことをもう少し知ってほしいのと、









｢迷惑をかける余裕なんてさせないくらい、私達に夢中にしてあげる…って、生意気ですかね？｣





｢そんなことないじゃろ、AはAなりにプレーで魅せちゃりんさい｣





新井さんはそう言ってバンっと私の背中を叩いた、









今日も野球が出来る事に感謝して、ファンに感謝して…







私はグランドへ走る









いつか、新井さんのような人になりたい

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