若鯉ちゃんはバンドリーマー

前へススメ！ ページ20

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例え、どんなにプロ野球選手(ユメ)が辛くたって、諦めない…皆はそう言った。







輝く朝日、カープファンに誓って…







｢私も、前に進まないと｣






前へススメ、私らしく、カープらしく駆け抜けて。






野球が好きで、好きで、カープファンも、選手もコーチも監督も皆が大好きでたまらない。






そんな大好きな皆の為ならなんだって出来るはずなのに






ボールが私の方に、サードに向かって飛んでくる…







突っ込めば取れる球なのに…







｢足がっ…動かない…｣





その一歩が踏み出せないのはなんで？






待って取ったらそりゃ、セーフですよ。ごめんなさい皆。






でも＿＿＿






｢ドンマイA、切り替え、切り替えっ！｣




｢大丈夫一人じゃないからね｣




｢今のは難しい当たりだから切り替えろよ｣







キクさん、広輔さん、アツさんの声がする。大丈夫まだ、周りは見えてる。






｢はいっ！次はアウトにしますっ｣








｢頼むよAちゃん｣







大丈夫、皆の声が聞こえる、皆と1つになれてるから。







まだ見ぬ夢を、同じ夢を追ってるから。







ノーアウトランナー一塁、






バッターの筒香さんが初球を狙い打つ。そして、二遊間に抜ける当たり…







｢広輔さん二塁っ！｣





｢っ…｣







キクさんがセンターに抜ける当たりをギリギリで取って、広輔さんにグラブトス、それから一塁へ






併殺の完成。









心が、体が震えた。キクさんのファインプレーに。








きっと星に願いをかけたあの日(七夕)の夜空は続いている、今もこれからも。






｢キクさんっ！｣




名前を呼べばキクさんは微笑んでくれた。







そうだ、どんなに今が辛くても、チャンスで打てなくても、エラーしても







今までに積み重ねてきたものがある…それはきっと忘れる事のないこと。






｢Aちゃん、野間がいなくても俺らはただ、前に進むだけだからね｣





アイツの為にも、と広輔さんは言う








全身全霊、前に進め。一心不乱に精一杯がむしゃらにっ！






例え夢が果てしなく遠くても、






見渡す限り赤いファンが嬉しくて泣いちゃう姿が、輝きが、





待ってるスタジアム(場所)を私は、いや、私達は夢見てる。







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