恋愛映画と違う道

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拒絶されたら多分、しんどくてやっていけない
気まずすぎて息ができない

だからこのままで良かった
下手に関係性が変わるくらいなら"同僚"という立場で良かった。それ以上は何も望まない


もうこれで終わり

阿部先生は憧れの存在であるだけ

それ以上でもそれ以下でもない


「大好きでした……(泣)」




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「また来週、夏休み明けに」と言った声は
震えていなかっただろうか…


夏休みが始まってすぐに、
康二と野波先生と3人で行った食事の日


康二に言われたことがずっと頭の中にあって
康二のためにも、自分のためにもちゃんと伝えないとって、ちゃんと向き合わないとって思った


だから、今日ちゃんと伝えたかった


あの日伝えられなかった、あの日の答えを


だけど、野波先生は望んでなかった


"もう昔のことですよ？"

"私ももう忘れてたことなんで大丈夫です"

"本当に、もう終わったことなので"


そう言った野波先生の顔がよぎる


そうだよな、なんで伝えられると思ったんだろう


野波先生が言うように、あの日で時間が止まっているのは俺だけ。野波先生はもう前に進んでいて、とっくの前に昔のことになっていたんだ


なのに俺は、まだ間に合うだろうって
心のどこかで思っていた


康二は俺にまだチャンスがあるって言っていたけど
ごめん、もう俺にはそんなチャンス
とっくの前に逃してた…


ごめん、康二の思い、俺、無駄にしてしまった


あの日、すぐに走って追いかければ
まだ野波さんはいたのだろうか


まだ追いつけたのだろうか


あの日ちゃんと伝えておけば良かった








"俺も好きだよ"と







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