ルフィ(1) ページ23
side貴方
折角のサンジ君の美味しいご飯を前にしてるのに気分は沈んでいく一方で、皆と少し離れた所で一人サラダをつつく。
「おーいA！食ってるかー肉‼」
「！ルフィ…」
「なんだサラダしかねぇじゃん！サンジのメシはサラダもうめぇけどやっぱ肉だろ！」
ほら、と自分用とは別に私の分も繕って持ってきてくれたルフィ。
ダイエット中だからと嘘をつき誤魔化すがこういう時に鋭くなる彼の観察眼は厄介できっぱり「嘘だろ」と見破られてしまう。
「何かあったのか？」
「…ちょっとだけ。でもそんな心配してもらう事じゃないし大丈夫」
「何だよ言えよ気になるだろ。心配するかしねぇかはおれが決める」
だめなんだ。今回ばかりはこの瞳に頼ってはいけない。
だって彼に関する事だから。
一カ月前から作り始めた彼へのプレゼント。
毛糸のマフラーというありきたりなものだけど不器用なりにナミやロビンに教えて貰いながら頑張って作った。
…そのプレゼントが今朝になって行方不明になったなんて。
「(ルフィは別にサプライズとかこだわらないと思うけど、でも…)」
探しても探しても見つからないそれ。
外には持ち出してないから絶対この船のどこかにあると思うのに。
「…ごめん少し体調が良くないんだ。だから今日はもう休むね」
それだけ言って素早く立ち上がる。
後ろから呼び止める声に聞こえないフリして甲板から船内に戻り部屋の捜索を再開した。
…が、やっぱり見つからない。
目にじわ、と涙が溜まってきた時聞こえた足音に慌てて袖で拭う。
「仲間なら分かるだろ、おれがあんな理由で納得しねぇって」
「…っ」
「言えよ」
もう耐えられなかった。
涙ながらに伝え謝る私。
全て話し終えた後もう一度深く深く謝る、…が反応がない。
涙を必死に擦って見上げると口を結び固まっていたルフィは、石化が解かれた後目にも止まらぬ速さでどこかへ行き、何かを手にまた戻ってきた。
手には見覚えのある…
「…っそれ…⁉」
「悪ぃA‼」
女子部屋に置いていたマフラー。
ナミの至急の用事で偶々女子部屋にものを取りに来た時これを見つけ自分宛の名前が書いてたので貰って行ったそうだ。
結局サプライズにはならなかったけど、無事見つかったし「すげぇ嬉しい、ありがとな！」と大好きな笑顔を見せてくれたので、私もつられて笑顔になった________
＿fin＿
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みかん(プロフ) - うわああさすがかっぱの子さん！！ワンピース小説大好きです...！！是非またワンピースの新作書いてください！待っていますー！ (2019年1月5日 21時) (
レス) id: 3dab1a0015 (このIDを非表示/違反報告)
rilu - あっ…神だ。（確信） (2018年12月31日 14時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年12月30日 15時
