五条悟に100万回殺’された女

24話 ページ24

完全に配役をミスったと手で額を抑える。


A「五条って、案外、何も出来ないんだね…」

「俺にそんなこと言えるのお前だけだわ」



そんなことないとは思うが、夏油や硝子も絶対に思っているだろうに、

いや、あの2人は思っていても改めて口にはしないか…、と「あ〜、そう」と適当な返事を返す。






A「五条、あんたは今から見守り役、絶対何もするな」



これ以上五条に料理を手伝わせてはせっかくの鍋が台無しになりかねない。

「え〜」と不満気に言う五条に「うるさい、米がきちんと炊けるようになったから言え」とビシッと指さす。

不貞腐れている五条をよそに、私は野菜を切り出す。




しばらくトントンとリズム良く野菜を切っていると、突然、背後に気配を感じる。

その後、ずしりと自分の肩が重くなる。




A「ちょっと、重い、邪魔」

「見守り役らしく見守ってるだけで〜す」





五条は私の肩に顎を置き、手を腰に回しガッシリとホールドする。どうやら離れる気はないようだ。

つくづく距離感がバグってんな、とは思うが五条に何を言っても無駄だと諦めている。




A「邪魔はしないでよ？」




私の言葉に「へ〜い」と生返事で答える五条を無視して野菜を切り始める。

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