addiction (ページ25)

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でも時間が経てば経つ程、私のちっぽけな抵抗なんて無駄なのだと思い知らされた。

廉と色々な場所を訪れ、食事をし、手を繋いだ。
もしかしたら廉とは上手くいくんじゃないか。
好きになれるんじゃないか。

そんな期待を抱いて
キスをした。

その後に感じたものは何もなかった。
ただの虚無だった。

何も、なかった。

「お前はこの先誰も好きになれない」

そう誰かに言われたような気がした。

「別れようか」と言った私に、大きな目を更に大きく見開いた廉はしばらく口も開かなかった。
やがて「分かった」とだけ告げられた。

廉と別れてからは、もう何も考えない事にした。

声を掛けてくる存在があればそれに応えた。
キスだってしたしそれ以上の事もした。
でも結局最後に残るのは、満たされない虚しさだけだった。

心は痛いくらいに助けを求めているのに、誰にも言えない。気付いてもらえない。

大学に入ると、助けなど来ない現実を受け入れる事にした。

その代わりに全てを諦めた。

諦めを覚えてしまえば後の事は拍子抜けするくらい簡単だった。
相手にも自分にも期待しなければ負担が掛かる事はない。
特に、自分に興味がない人間との付き合いは楽だった。

反対に自分の事を好きだと言う人間からの言動は重荷になっていった。
あんなに誰かの事を好きになろうと必死になってしがみ付こうとしていたのに、誰かの気持ちを弄んでいるような自分に吐き気がした。

それからはもうほとんど身体だけの付き合いになっていった。
誰かを好きになれなくても欲を吐き出す場所は必要な訳で。
適当に声を掛けたり掛けられたりしてホテルに行って抱き合う、それは半ば作業に近いものだった。

偶に正気に戻るように意識がはっきりする事があった。
そういう時は決まって酷い頭痛と吐き気に襲われた。

汚くて醜い。

私という存在を言い表すのに丁度いい言葉だと思った。

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