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回想 ページ17
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都会の喧騒から少し離れた所にぽつねんと建つ小さな喫茶店に、一組の男女の姿があった。
所謂、放課後デートというものだろうか。
制服に身を包んだ二人を眺めるマスターの表情は和やかだ。
男の方は機嫌がいいのか、終始笑顔で会話のキャッチボールを楽しんでいる。
女の方は笑みを浮かべてはいるものの、曖昧な返答を繰り返すばかりだった。
「でな、俺がそう言ったらあいつ何て言ったと思う？」
「・・・うーん分かんないや。何て言ったの？」
傍から見れば幸せそうな恋人同士に見えるかもしれないその二人の間には、穏やかな時間が流れていた。
男が身を乗り出さんと話しているところへ、コーヒーとケーキが運び込まれた。
少し残念そうにしつつも、男はカップに口をつけた。
コーヒーを飲み干して、しばらくしてから女は静かに言った。
「ねえ。別れよっか」
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作者名：かる | 作成日時：2020年7月29日 0時
