アニメ『日常』でボカロ曲！！

ゆっこ＝腐れ外道とチョコレゐト　2 ページ32

「まあ、よくわかんないけど、そういう『友達でしょ?』みたいな会話は全部嘘。こういう
ドロドロしたものが真実だってことだよ」
「……意味わかんない。つまりゆっこは私を裏切ったってことになるんでしょ?」
「ありゃ。私みおちゃんにこのことについて黙っててなんてい言われた覚えないよ?」

　しばらくの沈黙。みおちゃんは私を睨み付けている。

「……まあ、私が元々そうだったからね」
「え?」

　呆けたようにみおちゃんの目が丸くなる。
　やっぱり知らなかったんだ。それじゃあ「私達友達でしょ?」なんて言えなくない?

「私だって元々、そういう噂広められて嫌な思いした。だからこういう……噂を集め、広める
っていう腐れ外道みたいな仕事やってる」

　みおちゃんの表情が、段々ほぐれていく。

「……ああ、そう。あんたもそうだったの……」
「そう、私もそうだった」

　また沈黙が流れる。
　私達は睨み合った。いや、どちらかというと見つめていた。

　私はフェンスの向こうにいるみおちゃんに手を差し出した。

　そして、静かに問う。

「虫食い痕の残骸に、みおちゃんなら何を埋める?」

　みおちゃんの目がじっとこちらを見ている。

「誰も知らない秘密を、特別に教えてあげる」

　みおちゃんの、虚ろなその目が、じっと私を見ている。

「見えちゃうソレは見ないけど、見えないアレは見ないのです。なぞなぞです。その答えはなん
でしょう?」

　みおちゃんの瞳に、光が差した。


「わかんない!」


　みおちゃんが私の手を掴んで、フェンスを飛び越える。

「そうか……ゆっこも一緒だったんだなぁ……でも、やられたからってやり返しちゃ駄目だよ?」
「それもそうだなぁ……今度からは気をつけるよ」

　私達は笑いあった。

　☆○☆

　私は人が行き交う街路の壁に凭れかかっていた。
　携帯を取り出し、「仕事仲間」に電話をかける。今日はとあることを告げに連絡するのだ。

　数回のコールの後、男性の声が耳に入った。

『もしもし、相生?」
「……うん。あのさ……」

「綺麗ごとは嘘くさいけど､おもしろくない話が真実って思わない?」

『はぁ? なんだよいきなり……」

　やっぱり予想通りの返しだ。

「あんたもそう思うよね?」
『……ああ』
「私もだよ」

「なんか嫌だね」

　男性の声が聞こえる前に私は携帯を切る。

　手にあった甘い板チョコを、ぱきん、と食べた。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している


←ゆっこ＝腐れ外道とチョコレゐト

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキー食べ物

すし

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す