アニメ『日常』でボカロ曲！！

日常メンバー＝桜ノ雨 ページ21

「はあ………」

教室の窓に桜の花弁が入りこんできた。そう、今日は卒業式だ。

それはまだゆっこ――私には認識できなかった。だって、まだみんなはわいわいと話している。
それに、みんな同じ服装(高校だから当たり前だけど)。

本当に今から卒業式なのか?という思いが込み上げてくる。

「どうしたの?ゆっこ。浮かない顔して。今日が卒業式だから?」

と、前の席のみおちゃん。

「逆だよ逆。今から卒業式だってのに、何?この楽天的な様子は」
「まー、……それぞれに場所に旅立っても友達……みたいな会話してるんじゃない?」

それぞれに場所に旅立っても友達。

そんなこと、聞かなくてもわかるだろう。

「それともみんな、卒業って認めたくないとか」
「あー、なるほど」

ふと、机の上を見た。机には彫刻等で何か書いてあった。どうやら相合傘のようだ。

『立花みさと＆笹原幸次郎』と書かれている。

「え……?みおちゃんみおちゃん!!笹原先輩だって!!」
「え!?どこどこ!?」

もしかして前の卒業生が彫ったものなのかもしれない。みおちゃんには残念だけど。


そんなくだらない会話をして、私達は体育館で卒業式を揚げた。

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座っている椅子が痛い。なんだかでこぼこする。この痛みに耐えてこそ卒業生。
そう思うようにしよう。

『ですから、わたくしは皆様のご卒業をたいへん祝福いたします―――』

と、市の役員が涙ぐみながら話している。正直どうでもよかった。

話は終わり、座礼をする。さっきからこの繰り返しだ。もう飽きた。というか、しんどい。

そして、このあとにもあと5回くらい同じことを繰り返さなければいけないのだ。

もういい加減お尻の形が変形する、そう思ったところで来賓からの祝辞は終わった。

そして卒業の歌を歌う。みんなへとへとで所々音程が違うところがあったが、まあできた。

そして、卒業式は終わった。

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「あ〜、終わったあああ―――!!」
「やっと終わったね〜」
「……終わった」

みおちゃん、麻衣ちゃん、そして私といういつものグループで卒業式の愚痴を言っていた。
というか他のクラスメイトもそうだ。泣いている人はみかけない。

「泣いている人いないね〜」
「……きっとみんな堪えてるんだよ」

急にみおちゃんが真剣な顔で言ってきた。

「卒業式くらいは笑って過ごしたい。きっとみんなそう思ってるんだよ」

そうなのかもしれない。でも、みおちゃんはことを盛り上げすぎだ。

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