57＿大丈夫。 ページ8
臣くんが、ゆっくり掛けていた
サングラスを外しながら、
小さく溜息をついた。
「そんなに、俺と連絡取りたくない？」
さっきから臣くんが、
混乱する言葉ばかり
投げかけてくる。
ついさっきまで、夢の世界にいて、
そこからまだ覚めきらない頭を、
一生懸命動かしてみるけど、
なかなか言葉が出てこない。
…私だって、連絡取りたい。
でも…コワイ。
「直人さんだけ、連絡先知ってるとか、
嫌なんだけど。」
ほら、また…。
どういう意味よ、それ。
「…そんなん言われたら
期待してまうで。」
冗談まじりに、
精一杯の、
本心を呟く。
臣くんの、片方の口角が
少しだけ上がった。
「…貸して。」
そう言って、私の手から
携帯を奪って11桁の数字を押して、
自分の耳に持って行く。
そして自分の携帯の着信を
確認して、ん、と返してくる。
「登録しとけよ。
…連絡するから。」
凄く、優しい声で囁く彼。
いろんな想いが、交差する。
明日から、彼からの着信を
待ちわびる生活が始まるのか。
彼は、遠い、遠い世界の人。
気のあるような素振りを
されたって、本気にしたらあかん。
…大丈夫、勘違いしたりしない。
大丈夫。
…大丈夫やんな。
58＿帰れない。-広臣side-→←56＿家の前で。-広臣side-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 350人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Delfiy(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます！なんか情緒不安定気味な主人公ですが、これから成長させていきます。笑 これからも楽しんで頂ける様頑張ります！ (2016年3月11日 2時) (
レス) id: 20af7edbec (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 主人公さんが落ち着いた大人で入り込みやすく、楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしているので、無理せず頑張ってくださいな♪ (2016年3月10日 18時) (レス) id: 1ead75e105 (このIDを非表示/違反報告)
Delfiy(プロフ) - ゆらのさん» あたたかいお言葉、ありがとうございます。頑張ります！ (2016年2月27日 13時) (レス) id: 20af7edbec (このIDを非表示/違反報告)
ゆらの - 更新頑張ってください！応援してます☆ (2016年2月27日 12時) (レス) id: 73eb2f3136 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Delfiy | 作成日時：2016年2月19日 1時
