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S ページ9

「あれは、俺が驚く芝居をする前に、しょう君が、叫ぶから・・・弱いキャラをイメージしてたのに、いきなり真逆のキャラ押し付けてさ!
俺、頑張ったのに!」

だから、俺のせいだ!って言わんばかりに、頰がどんどん膨らんでいく


「・・・」

「・・・何してんの?」

あ、怒った笑
つい、膨らんだ頰に触りたくなって、つん!
・・・って、してしまった///
はー、何か今俺超幸せ///



「・・・じゃー、俺に惚れたっていうのは芝居だったの?俺を油断させる為に」

りょう君が、とんでも無い事を言う!!

「それは違う!!あの・・・本当に、・・・好きです///」

もし良ければ、お付き合いを・・・///

「ふーん、あの時疑ってる様には見えなかったんだけどなー・・・何か納得いかない」

ふーん?
又流されてしまった泣

腰深く椅子に座り直し、脚を組むりょう君が、あの時を思い出そうとしているのか、難しい顔になる



「俺もね、あの俺たち二人の出会いを、何度も何度も思い出してたんだ。何でお酒の匂いをさせていたんだろう、とか、俺の頭をずっと優しく撫でてくれた手、とか。そしたら、あれ?・・・ってなって、
気付いちゃいました。」

りょう君の瞳をじっと見ると、りょう君も同じ位見て来る

「・・・盗聴器を見つけて、あの時のキスの意味が分かったよ。凄く怖がった俺への、謝罪のキスだったんでしょ?」

りょう君の目が驚いた様に見開いた後、嬉しそうに、でも少し照れくさそうに笑った


「・・・貸してくれた、肩のお礼も入ってるもん」

照れたのを誤魔化す様に、ぶっきらぼうに、小さな声で言う君


君は、俺を何回惚れさせるの?

「あの!!」

声がいきなりでかくなった俺に、又々小首を傾げる君

そんな君に!!

「俺の側にいて下さい!!」

そして、将来的には結婚して下さい!!

真っ赤な顔で立ち上がり、大声で叫ぶ俺
びっくりした顔が見上げてくる

周りの視線も凄いが、そんな事はどうでもいい!!


「俺と一緒に、働きませんか!?」

周りのお客さん達が、あー、そっちか。と、勝手に納得して、さっきまであった、微妙な雰囲気が拡散する


「・・・一緒に?」

「はい!!」


あ、考えてくれてる!
もしかして///

「・・・分かった」

えっ!?良いの!!

「仲間に話してみるよ・・・今日は楽しかったね、しょう君」

じゃー、そう言って軽快な足取りで店を出て行く君


・・・そっちですか

がくりと崩れ落ちた俺に、今度は同情の目が俺に向けられた

A→←S



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作者名:かおる | 作成日時:2019年2月18日 22時

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