S ページ8
あーー、3日ぶりに会った君は、なんだか一層美しさに磨きがかかっている気がする
貴族の様にコーヒーを口に持っていく所作
コーヒーを飲む為に少し伏せられた瞳
震える長い睫毛が、君の美しい瞳を隠すようにふるふると震えて・・・コーヒーカップになりたい///
「・・・いつ、気付いたの?」
君の口から発せられる声は、そう、まるで姫を助ける王子の様に、脳髄を刺激してきて、声だけで俺を天に導く
そして、その声を奏でる口は・・・唇は・・・
暖かく、柔らかい///・・・もう一回、して///
「・・・聞いてる?」
はうっ!!
小首を傾げた!!///
まるで、子犬、嫌!!猫!!いやいや、天使かも知れない・・・///
「・・・帰る」
「あーーー!御免なさい!」
帰らないでーー!と、俺はりょう君の腰にしがみ付いた
ほ、細い///
「・・・恥ずかしいから、離して///」
周りのお客さんが何事かと視線を集めると、視線に気付いた君は、恥ずかしそうに頰を少し染めて、俯向きがちに発した、小さな一言
「・・・帰らない?」
腰に抱きついたまま、りょう君を見上げて、意地悪く俺がそう言うと、むっ!とした表情を覗かせる
「分かったから離せ」
王者が発したかの様な、逆らう事は許されないその声は、膨らんだ頰と、上から睨まれるというダブル、いや、トリプル攻撃によって、俺の鼻から血を流させるという荒技だった・・・
愛って素晴らしい・・・///
「・・・で?」
少し血を出して落ち着いたのか、俺は鼻にティッシュを詰めた状態で、再びりょう君の向かいの席に座り腰を落ち着かせた
「・・・違和感は、最初から」
俺がそう言うと、ピクリと眉が中心に寄る
もしかして、負けず嫌い?
りょう君の新たな部分を見つけた俺は、嬉しさの余り、ベラベラと話し出す
「俺を宥めている時に、片方の手は俺の頭に置かれていたけれど、もう片方の手は、不自然な動きをした。普通は腰に当てるであろう手、初対面の俺に対して、まるで恋人を抱きしめるかの様に、君は、俺の肩、そして、俺の襟部分へと移動していった。
・・・これ、返しておくね」
テーブルの上に、君が仕掛けた盗聴器を置く
「・・・そんなの、スキンシップが大好きな奴かも知れないじゃないか」
置かれた盗聴器を見つめながら、拗ねる君
意外にも、表情豊かだった君を見つめて、俺は笑いかける
「・・・何?」
「・・・余裕過ぎたんだよ。・・・まるで、エレベーターが、壊れるのを知っていたかの様に」
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作者名:かおる | 作成日時:2019年2月18日 22時