探偵は愛に生きる (ページ7)

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O ページ7

「・・・帰った？」

「・・・」

「リーダー？」

バーの中に、依頼者と共にいるあいばちゃんから連絡が入るが・・・

「・・・今日は大人しく家に帰る様に、依頼人にそう言っといて」

「・・・なんかあった？」

「・・・多分ね」

笑う俺に、了解、とあいばちゃんからの返事を聞いた後、通信機器を鞄の中に外して入れていく

そう、多分・・・
見えにくかったが、何処を見るでもなく、真っ先にこの店に、俺が居る場所に、視線を送って来た
咄嗟に隠れたあの時
一気に嫌な汗が出た

・・・失敗したかな？

そう思うも、笑みがこぼれる

まー、いい
証拠を掴ませ無ければいいんだから

腹を括り、店員を呼ぶ

「御注文ですか？」

車が去ってから15分

「コーヒー、二つお願いします」

そろそろかな？ふふ///

向かいのバーに目を向けると、女が一人出て来る
懲りずに呼び出していた、依頼人には少し呆れるが

ちゃんと、言う事聞いてくれたみたいだね

女がちらりと睨む様に此方を見た後、足早に、その場所から逃げる様に去って行く

・・・御免ね
君の本気は伝わるけれど、その男には妻が居る

そして、その妻を助けようとしているのが・・・

「・・・見つけた」

窓から外を見ていると、突如かけられた声
・・・やっぱり、来ちゃったか
偶然か、それとも自分の勘を信じるか、少し迷ったけどね

振り向くと、鞄を女性に向けている男が一人
此処からでは遠すぎるんだろう
苦笑と共に発せられた言葉

「・・・今の女性が、浮気相手？」

女性一人を撮られた位では、証拠にはならない
俺は肯定も否定もせずに、唯笑い返した

「又、逢えたね///りょう君」

男が微笑み、向かいの席に座る

「お待たせしました、コーヒー二つですね」

そこへタイミング良く、店員がテーブルの上にコーヒーを置いて、持ち場へ帰って行く

「・・・・何で、逃げなかったの？」

二つのコーヒーを見つめた後、
笑いながらも問いかけてくる言葉に、俺も笑って返す

「逃げるのは好きじゃないんだよ・・・しょう君」

さっき車で帰った筈のしょう君が、前の席で、
嬉しそうに笑った