探偵は愛に生きる (ページ5)

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S ページ5

りょう///
良い名前、どんな漢字かな？
今度会ったら聞いて・・・

「ノ～～～！！」

「しょうさん、煩い」

エレベーターを直してくれた業者の方々にお礼を述べて、無事に出れた安堵感と、名前を教えてくれた幸福感そのままに、事務所に戻って自分の椅子に座って・・・あれから・・・今迄、気付く事無く幸福感に浸っていたのに・・・

「名前だけじゃ、何も知らないのと一緒じゃないか！あーー！俺の馬鹿！！」

「もー、しょうさん煩いってば！！」

泣き叫ぶ俺に、容赦無くじゅんが叱り飛ばしてくる

酷い！！俺の人生が掛かってるのに！

憤怒する俺に、今度は冷静な声が降ってくる

「・・・で？あの逃げて行った男は何なんですか？」

「逃げて無いし！！・・・きっと、恥ずかしかったんだよ///」

・・・キスしたから///
顔を赤らめる俺に、今度は白い目を向けられる

「・・・は？」

冷たく発っせられた一文字と！
酷くね！？俺社長なのに酷くね！？
・・・まー、偶に給料未払いがあったりするけど

はー、何でかなー
頑張って働いてるんだけどなー

「あ！和これ頼む」

仕事を思い出した俺は、依頼人から聞きながら書いた捜査資料を渡す

貧乏な男！と、りょう君に思われたくない！！
頑張れ！俺！！
探すのはこの仕事が終わってからだ！！

やる気を漲らせる俺に、未だ不信な顔を向けてくるが、俺は負けん！！

「なんか使えそうな所あるか？それとも、やっぱり尾行がいいか？」

何食わぬ顔で、話を進める
背後から、又、尾行かよ～！！じゅんのボヤキも聞こえて来るが・・・無視だ！！

諦めた和が、溜息を吐きながら資料に目を通す

「・・・黒だな」

一言そう言って、手書きの調書をパソコンに打ち込んでいく

・・・・やっぱ、そーだよなー

暗くなる俺と、和の言葉に、雑誌を読んでいたじゅんが俺の肩越しに覗き込んでくる

「んだよこれ！調べるまでも無いじゃん！！」

興味を無くしたじゅんが、再びソファーにどかりと寝転び出す

「まー、一応証拠が必要ですから・・・取り敢えずこの、決まった曜日に出て、必ず三時間程で帰ってくる。これじゃないですかね？・・・ラブホに一万」

「あ、俺もー！ラブホに一万！」

「お前ら！失礼だぞ！」

「じゃー、しょうさんは浮気してないに一万ね」

うっ！
こいつらに乗せられるな！俺！
ぽろぽろ泣いていた奥さんを思い出すんだ！！

「してないに、二万だ！」

あー・・・前と後ろで喜ぶ二人
りょう君、俺失敗したかも知れません