探偵は愛に生きる (ページ21)

今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:37,098 hit

N ページ21

１２時を回った頃に変な電話が掛かって来た

皆んなでお蕎麦を食べていた時で、都合良く全員揃っていた

「和、録音した？」

「あ、はい」

二人が来て、掛かって来た電話が録音出来るように機械が設置されて、電話を取った人は必ず録音ボタンを押す決まりになっていた

「じゃ、再生しますね」

リーダーの質問に応えて再生ボタンを押す

『はい、さくらい探偵事務所です』

『・・・』

『もしもし？』

『・・・・・助けて下さい』

プツ、ツーツー

しんと静まり返る事務所
電話を取ったのは俺自身なのに、鳥肌が立つ
ホ、ホラーじゃないですよね？

「んーだよ、イタ電だろ？」

じゅん君が言うと

「・・・あれかなー？」

リーダーが思案顔で呟くと

「あー、前に言ってた人？」

あいばさんが応える
流石に、未だこの二人の間には入っていけない時がある
それはお互い様だから、しょうがないんだろうけど
・・・寂しさが募る

「あれって何？」

しょうさんが、隣に座るリーダーに顔を近づけて聞き返す
顔・・・少し赤いですよ、リーダー
この二人両想いだと思うんだけど、何故かリーダーがのらりくらりとかわしてる感じ
あーあ、伏し目になったりして、しょうさん迄赤くしないで下さいよ顔

「・・・しょう君、手空いたの？」

「うん！空いた！空きまくってる！」

いや、それは事務所としてどうかと・・・

「じゃー、手伝って。和、声取って確認したいから、その録音消さないでね、後・・・」

「分かりました、取って来ます」

リーダーの声を遮って機材置き場に向かう
背後で微かに笑う声

私だって探偵の一員です。言われなくても動けますよ笑
相手に心当たりはあるが、確証が無い
だったら、それを取るだけだ

一通りの機材を持って戻り、しょうさんに渡す

「高いのも有りますから、気を付けて下さいね」

しょうさんがきょろきょろと、リーダーと俺を行ったり来たり見てくる

「・・・もしかして、俺荷物持ち？」

しょんぼりしょうさん

「ふふ、そんな事無いよ。何で俺がこの事務所に来たと思ってるの？」

喜ぶしょうさん

「りょう君！！///」

今にも抱きつかんばかりのしょうさんを、片手で押し留めてるリーダーに声が掛かる

「さとし、・・・もしかして105号室？」

「正解///未だ、分かんないけどね、じゅんも勘が良くなったね」

あ、じゅん君嬉しそう

「・・・さとしって、誰？」

・・・しょうさん、何か残念笑