探偵は愛に生きる (ページ13)

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A ページ13

『変態だけど、洞察力と、記憶力は良い
一緒に仕事をしてみたいと思う程に
・・・駄目？』

あの後そう言われて、つい

『良いよ』と、答えてしまった自分に苦笑するしかない

対面に座る三人
・・・真ん中に座る男は、リーダーしか見ていない
リーダーは、気付いているのか、いないのか
初めて入った場所を興味深そうに眺めてる

「じゃー、しょうさんがさっき言ってたのは、この二人の事？」

「・・・じゅん君、この人、俺見覚えあるんだけど」

「・・・あ！エレベーターの！？」

「俺達の依頼人が、夫の浮気調査を依頼して来た奥さんの旦那の方でね。助けてくれって、泣きつかれたんだよ。
だから色々調べさせて貰ったの
先ずは、敵を知らないと話にならないからね」

「・・・じゃー、貴方達も探偵？」

「そうだよ・・・しょう君、何にも話してないの？」

「・・・すみません///」

「・・・あいばちゃん帰るよ」

リーダーが、徐ろに立ち上がって俺の腕を少し引っ張って促してくる

「え！？あの・・・！！」

「・・・一人で、突っ走るタイプ？仲間を蔑ろにする人と一緒に働く気は無い」

んー、俺のリーダーはカッコいい///
リーダーの後に素直に着いて行くと
さくらいさんが、待った！と言わんばかりに
俺達の前に両手を広げて通せんぼをする

「今二人の事を話そうとしてて・・・」

「今？しょう君が盗聴器に気付いたのはいつ？」

・・・多分、あの日の一日前
音が聞こえ無くなった日
けど、夜には又ゴソゴソ聞こえて来たから、違うジャケットを来て出社したんだな
そう思っていた

それが違ったんだとしたら、一日、仲間に伝える時間が充分にあった筈だ

声を詰まらせ、目はウロウロ

リーダーの背中から、怒りのオーラーが出てる

「・・・嬉しくて、明日会えるかも知れない
・・・そんな事ばっかり考えてて
仲間を信頼してない訳では、決して無くて
・・・ただ、浮かれて・・・」

小さな声で、そう告白する男

・・・残念、又二人で働ける
そう思ったんだけどなー笑

リーダーから怒は、もう消えちゃった

それに気付かず、目を伏せたまま
未だ自分の気持ちを正直に話し続ける男を無視して
リーダーが俺に耳打ちする

「ね、変態には敵わないでしょ」

そう言って、笑う

リーダー、気付いて無いの？
その人の言葉を、嬉しそうに聞いてる自分を

・・・しょうがないから
ここで二人を見守ってあげるよ

俺達は家族だからね笑