探偵は愛に生きる (ページ11)

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A ページ11

「・・・そっか、じゃー、この案件はもうすぐ終わるかもね」

事務所に帰って、さっきの依頼人の様子を伝えると、何故か嬉しそうに笑うリーダー

ソファーに戻される事無く、未だ簡易ベッド状態のソファーに、二人して寝転び
今日の報告をする

まー、二人だけの会社だから、緩いのはしょうがない笑

「そっちは？・・・何かあったの？」

予定では、おの男は今日も女性と過ごす筈だった
リーダーの許可が出れば
だから女性も、あのビルの中でずっと隠れて待っていたのだ
雪が無いとはいえ、寒いのを我慢して

けれど、リーダーは許可では無く、帰れと言った
依頼人に言った言葉だけど、それは、待ってる女性にも言った言葉で

「・・・あいばちゃん」

天井を見上げたまま、リーダーが話す

「・・・何？」

横で寝転ぶリーダーを見ると、真剣な表情

「・・・家族を、増やしてもいい？」

「・・・あの、三人の事？」

「うん」

リーダーが付けてきてくれた盗聴器のお陰で、三人の大まかな性格は把握出来ては・・・いる

けど、同じ場所で働くとなると、別問題だ

「・・・このままじゃ、駄目なの？」

つい、人見知りが発動する俺に、リーダーがゴソゴソと、ポケットから取り出した物を俺の手の中に収める

小さい？

手にある物を顔に持っていき、確認すると

「・・・盗聴器？」

「うん・・・バレてた」

仰向けからうつ伏せになって、上半身を腕で支えるリーダーが、見上げたままの俺の横で、クスクスと可笑しそうに笑う

・・・珍しい

「・・・悔しく無いの？」

負けず嫌いのリーダーが、負けても許せる相手
・・・そんな奴は、今迄居なかったのに

「だって、変態には敵わないもん///」

・・・ん？

思い出しているのか、可笑しそうに笑い続けるリーダー・・・って、変態？変態って、変態の事？

「・・・リーダー？」

情け無い顔で、リーダーに説明を求めると、答えが返ってくる

「ん～とね、エレベーターの中での俺の事を、何度も思い出してたんだって、だから、可笑しな部分に気付いた・・・らしい。ね、変態でしょ？///」

「・・・変態だね」

俺がそう返事すると、今度は声を立てて爆笑するリーダー

「っ、はーもう！面白過ぎる///」

笑い過ぎて、目に涙を浮かべているリーダー

・・・変態さんの気持ちが、分からないでも無い
こんなに、長い間一緒に居るのに、ふとした動きにドキリとさせられる

涙を拭うその手を、引き寄せたい
そう思う俺も、変態なんだろうか・・・