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S ページ1

狭いエレベーターの中、次の案件の捜査資料を読んでいると、誰かが乗り込んで来る

・・・酒の匂い


未だ昼だぞ?

不審に思い、資料から目を離して、その人に目をやる


綺麗な・・・横顔


男を見て綺麗だと思ってしまった自分に驚きながらも、目が離せない


エレベーターの出入りする横の壁に背中を預け、伏せられた瞳に睫毛がかかる

少し首がもたれた時に、頰にかかった髪の毛を、煩わしそうに耳にかけ、その手すら綺麗だと感じる

・・・疲れ果てた様に目を瞑るその人

今にも眠ってしまいそうなその人が、俺の視線に気付いて、閉じていた瞳を開けてこっちを見る


・・・吸い込まれる


時間が止まったかの様に感じる

それ程に、その人と目が合った瞬間に心を奪われた

・・・いや、もしかしたら既に彼の横顔に奪われていたのかも知れない


疲れていそうな彼を、抱きしめたい


伏せられた瞳を見ながら、俺はそう感じていたのだから




「おわっ!?」


ガクン!!と、突如激しい衝撃と暗闇が、狭いエレベーターの中で襲ってくる


「な、何!?故障!?」

お、落ち着け!!・・・こういう時は、慌てず、騒がず!!って、無理!!

「し、死にたくねーーーっ!!」


俺が叫んだ瞬間、身体をふわりと抱きしめられる

子供をあやす様に、片方の手が俺の頭をポンポンと
落ち着かせる様に


「大丈夫だよ、大丈夫」


酒の匂いと、初めて聞けたその人の優しく響くその人の声に
現実に戻った俺は、羞恥で顔が真っ赤になったと思う


暗闇で良かった・・・

「・・・御免、有難う」

「うん」

そう頷いたその人は、俺から手を離した後、俺のすぐ側で壁伝いに座った・・・と思う(何せ暗い!)
俺は少し躊躇いながらも、立っていると足が震えてきそうで、恥を忍んでその人にぴったり引っ付いて隣に座った


・・・この人は、怖くないのかな?


何を話せばいいのかも分からず、時間だけが過ぎていく



・・・う、嘘だろ!?

突如、隣に座る彼の頭が、俺の肩にこてんと乗っかってきて

まさか、この人も俺に一目惚れを!?///

何て、喜んだのも束の間
静かな空間に、スースーと彼の穏やかな寝息が・・・



寝るの!?この状況で寝ちゃうの!!


どんだけ〜〜〜!!


俺の頭の中は、違う意味でパニックになってしまった・・・


隣で心地良く眠る人を起こさない様に、動く事は一切しなかったけれど


・・・惚れた弱み?

N→



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作者名:かおる | 作成日時:2019年2月18日 22時

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