安住の地を求め

空腹 ページ7

グルグルきゅー

キュルっきゅー

「「・・・・」」

洋風な一軒のお家に何とか辿り着いた二人
二人が見上げる先には、真っ赤に染まった赤い実がブランブラン

「いちご！しょう君おんぶ！」

瞳をキラキラさせて、僕の背中に乗ろうとするけれど

ぺしゃん


「「・・・・」」


だ、駄目だ、お腹が空いて力が出ない

ぐったりしてると、背中にトン！っと何かが一瞬乗った

虫？

「さとし君・・・！」

顔を少しあげると、目の前には真っ赤な苺

顔より大きな苺を持ったさとし君が、嬉しそうに笑ってる

「しょう君、一緒に食べよ？///」


って、真っ赤な口で言う

もう食べてる笑


「美味しい？」

「うん！///」

さとし君が持つ苺を俺も持つと、顔が見えない

一口かじる


「美味しい///」

「ね！」

いちごの横からひょっこり顔を覗かせたさとし君

顔中苺でべとべと

俺にばっかり食べさせて、俺以上にお腹を空かせてたさとし君

ここまで、沢山頑張って歩いてくれた

ハンカチを取り出して、さとし君のぷくぷくの頰を拭き拭き

「ふふ///」

「どうやっていちご取ったの？」

届きそうで届かない苺

「飛んだの///」

「さとし君飛べるの！？」

「うん、ふふ///しょう君が踞るとねー、僕いっぱい飛べるみたい」

？

「しょう君、もっと食べて、もう一個取る？」

俺に苺を向けるさとし君の腕に赤いシミ

「さとし君、お洋服にいちごの・・・」

腕を取って、ハンカチで拭こうとしたら

「っ！！」

苺のシミじゃなくて、さとし君の血が滲んでた


・・・どうして、言ってくれないの？いちごの棘にやられたの？


無性に悲しくなって、目に涙が溜まる

俺、頼りない？

「しょう君！？どうしたの！？これじゃ足りない！？いっぱい取るから待ってて！！
そこに蹲って！！」

「はい！！？？」

さとし君の勢いに押されて、踞る

・・・何で？


さとし君の方をちらりと見ると・・・
物凄い速さで俺目掛けて走ってくる！？

「ぎゃ〜〜〜っ！！」

「え！？しょう君！」

余りの恐さに立ち上がってしまった俺に、急に止まれないさとし君がぶつかって来る

ゴロンゴロンゴロン


「・・っ！あ〜〜ん！！」

「御免！さとし君、どっか痛かった！？」

片方の手を出すさとし君、こっちの手なの？

「ぐにっていったの、ひっく！しょう君の馬鹿！」

「御免ね、さとし君」

でも、言ってくれたから何か嬉しいや///


「・・・しょう君、誰か見てる」

ん？←早速見つかりました

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