訪問者 ページ15
何かを言うでも、話す事もなく
帰りは黙ってただ歩いた
時折目を合わせて
お互い赤くなってる目で笑いあった
握る手を嬉しそうにぶんぶんと振る
その君の勢いで躓きそうになる俺を見て
慌てて支える君が逆に転びそうになって
又それを俺が助けようとするから
良くわからないまま二人して地面に手をつく羽目になって
又笑いあって
喫茶店を通り過ぎようとした時
気付いたじゅんに呼び止められて
再び店内に通され、君が描いた俺の絵を見せて貰った
反応が気になる君が俺の周りをうろちょろするから
そこでようやく
「ありがとう」
と声に出して感謝すると
今日一番の笑顔を見せてくれた
少し照れた君の笑う声が漏れて
君の声を初めて聞いたじゅんが、何故かいけめた顔で笑った
それを見て口を噤んだ君は
長い間発っせられた言葉の檻に、囚われてしまってるのかも知れない
そんな見えないものを壊すには
どうしたらいいだろうか
「これかなぁ？」
家に戻り
図鑑を開いた写真の中から、ようやく見つけた似た花に指を指してさとし君を見るけど
ん〜？？って眉が寄る
「違う？」
「・・・」
少し考えてから、首がこくんと頷く
「声、聞かせて」
刷り込まれた言葉を消すには、新しく積み重ねていくしかない。って、安易な考えしか出てこなかった
ブンブンと横に頭を振り
頑なに拒否される
「俺は、さとし君の声が聞きたい」
不安からか、きゅっきゅっと、俺の袖を掴んでくる
不安にさせたい訳じゃない
このやり方は間違いかと「御免」て謝ろうとした時
「相変わらずラブラブだね！！
ひゃ〜！本がいっぱい
テンション上がる〜♪」
って能天気な声が静かな店内に響いた
「ねーねー、アレないの？
今流行りのアレ、新刊が何処行っても売り切れなんだよ〜！！」
って、アレって何だよ
そもそも内は古本屋だ
「・・・大丈夫だよ」
まさきの出現で驚いたさとし君の手が、俺の手を握る
偶々そうなっただけなんだろうけど
さとし君が自分から俺の手を握ったのは初めてだった
「あー！手握ってる！
さとちゃん、どう？しょうちゃんから嫌な事されてない！？」
俺の隣に座るさとし君の前に屈み込んで、下からさとし君の顔を覗きこむまさきの距離感がおかしい
「嫌な事ってなんだよ、誰がするかそんな事」
「やだなー一応確認でしょ？俺保証人なんだから
さとちゃんに何かあったら俺までしょうちゃんの罪が被さってくるんだから」
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かおる(プロフ) - じゅーくろーさん» 此方こそ、いつも有り難う御座います。返信が遅くなり申し訳ありませんでした。新作、出したので、又お暇な時があれば、お越し下さい。本当に、いつも有り難う御座います。 (2020年8月9日 13時) (
レス) id: 17862cad9e (このIDを非表示/違反報告)
じゅーくろー(プロフ) - さとしくんが幸せになって良かった。大団円ですね。じゅんくんの存在が偉大すぎる！(笑)教育的指導出来るのは、彼しかいない。しょうとまーは、さとしの可愛さに溶けちゃってますもんね。ニノさんも幸せ掴んで欲しいな。ありがとうございました。 (2020年7月22日 0時) (レス) id: 26990fcaa5 (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - じゅーくろーさん» 関係は、難しいですね。でもかずは、暴力は決して振るいませんでした。幼き日に、力で捻じ伏せられた。それと同じ行為は決してするものかと。でも、守られなかった自分もいる訳で、色々な葛藤、後悔、それでも…。だから、彼はさとしと離れる事で進めた。そんな彼でした (2020年7月18日 13時) (レス) id: 17862cad9e (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - masaoさん» 有難う御座います(*´ω｀*)一人でも良かったけど、もう一人のしょう君に出張って貰いました。理解して連れ添ってくれる人がいる。なんで、彼はこれから心穏やかに過ごせられるかと。 (2020年7月18日 13時) (レス) id: 17862cad9e (このIDを非表示/違反報告)
じゅーくろー(プロフ) - かずとは、一体どんな関係だったのか気になります。番外編楽しみです。いつも更新ありがとうございます。 (2020年7月17日 23時) (レス) id: 26990fcaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおる | 作成日時：2020年6月30日 1時
