夢

レッツフライ ページ34

喧嘩ではないが、
君のむくれた顔は、存外に直ぐ見れた




「おそらっていったのに…」


プリプリと、頰を膨らまし、ぐちぐちと下を向いて言うから、可愛いとしか思わないが


あれから、無事めでたく？家族になった俺とさとし君
さとし君は、さとし君が良い。と言って、改名までした



「でも、さとし君。今からアレに乗って、お空に向かって飛ぶんだよ」


人混みに疲れて、出発前なのに憔悴しきってるさとし君に、飛行機を指差す

国外と言いたいが、いかんせんしがない古本屋の亭主
沖縄行き、国内線だ(それでも高い)


「ひこうき！」


くいつた笑

びたんと窓に張り付く姿は、隣で興奮して見てる5歳児の男の子と変わりない


「かっけーよなー//」


「うん！かっけー//」


会話してるし(笑)



さとし君の旅費代はと言うと、結構な大金が入った通帳が、あの茶封筒の中に入っていた

さとし君は、俺がお兄さんに会わなくて良いと言ったからか、未だ開けてもいなかった茶封筒を、次の日にはゴミ箱に捨てていた


ゴミ箱に入ってたのを見つけた時、それはもう見つかった！��(ﾟДﾟ)って顔して、知らんぷりして誤魔化そうとしていた


あの家には、俺と君しか居ないのに(笑)



「くも、さわれるかなー//くふふ///」


「にいちゃん、なにいってんだ？さわれるわけないじゃん！まどなんてあけたらしんじゃうぞ！」


「そーなの？」


「さわれるのはパイロットだけ！おれら、いっぱんのきゃくはおとなしーくすわってないと、ジュースもらえなくなるぞ！」


「それはやだ」


「だろ！」



そろそろ止めた方が良さそうな会話だが、何とも可愛い二人



「笑ってないで、止めてやれよ。しょうさん笑」


肩に手を置かれ、振り替えるとさっきも見たが、何とも派手派手なアロハシャツが眩しいじゅんが横に居た


「もう良いのか？お土産」


未だ出発前なのに、じゅんはお土産を大量に手にぶら下げていた


「送って貰えば良かったのに」


どうすんだよ、それ


「飛行機ん中と、あっちで使う物買ったのに、送ったら意味ないじゃん」


意味が分からない。と、呆れていると、もう片方の俺の肩に、もう一つの手が伸し掛かる


「聞いてよ、しょうちゃん！じゅん似た様な服ばっかり買うんだよ！しかも全部派手派手！」


うひゃひゃ//と、伸し掛かかった手の先はまさき

こちらはテンションmaxだ




察しの通り、俺らは今から男だらけで沖縄旅行だ

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