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動いた手 ページ26
『ごめん、忠義・・・』
抱き締めてくれたままやのに、あぁこのままフラれるんかと思うと身体がビクッとなった。
『忠義の辛かった事に無理矢理踏み込んじゃったね。
私には忠義の辛さを消してあげられるような魔法は使えないけどさぁ、今からその倍以上に楽しい思い出作って、辛かった思い出を薄めていかれへんかな。』
Aの腕に更に力が入る。
やっと動いた手でそっとAの腕に触れる。
大「お・・・れでえ・・・の？」
上手く出ない声
『忠義じゃないとあかん！』
それでも聞き取って一番欲しい答えをくれる。
大「でも・・・でも俺汚い。」
『汚くない！頑張ったんやろ？必死に生きてきたんやろ？
そのお店の仲間は皆汚いの？
違う！皆必死に戦ってきただけ。』
あんなに泣いたのに、またポロポロと頬が濡れる。
何でAは、こんなにも強いのだろう。
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作者名：かおり | 作成日時：2015年9月29日 22時
