僕らと彼の非現実

11 橙 ページ11

初めはしげがふざけてるんやと思った
こんな時に何を悪い冗談言うとんねん！って
でも、じゅったくんを見てると淳太くんに重なるところだらけ…

唇んまってする所も、笑いジワも、手のひらのホクロも、さらさらの髪も、ちらっとのぞいてる可愛い犬歯も…
何より自分の中の感覚が淳太くんやって認めてる

橙｢なぁ淳太くん？｣

出来るだけ優しく、目線を合わせて声をかける

黄｢んぅ？｣

クリックリの茶色がかった瞳
この目見たらわかる。間違いなく淳太くんやわ

橙｢淳太くんは、お兄ちゃん達のこと知ってる？｣

もしかしたら記憶が少しでもあるかもしれへん
そう期待してきいてみたけど、

黄｢んー、じゅったわかりゃへん…｣

そう言ってしゅんと下を向いてしまった
いや、待って…淳太くんに何が起こったん？
大人が子どもに戻るってアニメの世界か？
記憶も無いって…原因も分からんやん…

橙｢淳太くん、俺桐山照史！あっくんって呼んでっ｣

しゅんとさせてしまった気持ちを何とか戻そうと、自己紹介してみる

黄｢あっく…あっくぅ…あきちょ！｣

いや、可愛い！あかん、可愛いわ！
もっと考えなあかん事いっぱいやのに、その可愛さにメロメロになってしまった

12 赤→←10 桃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す