6話 ページ8
早速家に帰り、明日着ていく服を考える。
「別に正式な挨拶とかじゃないし…ラフな感じでいいかな」
父の付き添いで色々な場に出ることが今まで多数あった。そのおかげで様々な正装を持っているが…
「堅苦しいものばかりで気が滅入るんだよなぁ」
ジーパンとシャツでいいよね?靴はスリッポンで…うん、これくらいがいいよ。
それにしても。私の感情にちょっと驚きを隠せないのだ。
「基本他人からのお誘いなんて受けたことないんだけどなぁ。なんでいいよって言ったんだろうか」
社交の場に顔を出すのであれば、年の近い人にご飯やお茶を誘われることは少なくない。しかし、それらは私にとって不具合しかないのだ。はっきり言うと、邪魔。
「あの人たちは私目的じゃない」
私の父が持っている財産や、経済力を目当てに私にすり寄るやつらばかりである。たとえて言うなら、『美味しい蜜を求めて近づく蛾』だろうか?まぁそれ以前に私は知りたいことがまだ沢山あるし。恋愛などにうつつ抜かす暇なんてない。そういう所を昔の同級生に冷めてるとか言われてたっけ。
しかし煉獄さんの件については嫌とか邪魔とかのレベルじゃない。むしろ逆だ。彼の事を知れるのが嬉しい。彼は未知の存在なのだ。今までの人とは違いすぎて、とても興味を引く人。
「でも、本当にそれだけなのだろうか?」
私の中で何かが変わっている気がするのだ。しかしこの感情の名前を知らない。
「…早く寝よ」
複雑な気持ちになりながらその日は眠りに落ちた。
______
カーテンから日差しが入ってくる。どうやら朝になったようだ。私は起き上がり、カーテンと窓を開けて背伸びをする。
トーストとコーヒーを用意して朝食を済ませる。家の掃除も軽くして…この時間なら余裕で間に合いそう。
昨日用意しておいた服を着て、化粧を薄くする。いわゆるナチュラルメイクと言うやつだ。ど派手なのはあまり好みじゃない。
髪は後ろで軽くひとくくりにしてと…よし、問題ない。
私はカバンを持って靴を履き、外へ出る。勿論鍵も閉めておいた。月麻呂はそんなに遠くないので歩いて行こう。
_____
よし、15分前に着いた。煉獄さん来てるかな…お、いた。
「おはよう、煉獄さん」
…わぁ、いつもスーツしか見てなかったから私服のギャップ凄い。ちょっと心臓が跳ねた。
「おはよう!月詠!早いな!」
彼は元気のいい挨拶をしてくれる。
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スプラン(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます!すみません、剣道に関してはど素人で適当につけた設定でした…!詳しく調べて、改めて書き直します!ご指摘ありがとうございます! (2020年2月19日 22時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - すみません、大変面白く読ませてもらっているのですが、一つ気になることが…。9話で主人公さんが「剣道6段」を所持しているとのことですが、まず、剣道6段の昇段試験を受けるには、年齢制限で最低28歳になってないといけません。少し現実的ではないかと… (2019年9月16日 20時) (レス) id: cb5753e0d8 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - ラムさん» 40票目ありがとうございます(`・∀・´)パソコンの部屋にエアコンがなくて手詰まり状態です…もう少しお待ちください(´・ω・`) (2019年7月29日 0時) (レス) id: 07c7378595 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 40票目の星は頂いたぜ!!ほんとにこの作品にはドキドキさせてもらってます!! 更新頑張ってください!!!!!!! (2019年7月26日 13時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - 星ポッチが30になってました!アリガトウゴザイマス! (2019年7月12日 23時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スプラン | 作成日時:2019年6月24日 23時