3話 ページ5
それから彼は毎週大体同じ曜日、同じ時間に来るようになった。
そして今日はその彼が来る日。
「煉獄さんまだかな…」
彼と話す時間は私にとって楽しいものだった。私が話すことに対して共感は勿論、彼が話す内容も私にとって未知な部分があるのだ。興味を示さないわけがない。
「そう言えば、父にも好奇心旺盛と昔から言われていたなぁ」
幼いころに父がグラフみたいなものを見ていたのに興味を示し、やり方を教えてもらったことがきっかけで、詳しく勉強することになったのを思い出す。
「あれは楽しかった」
新しいことに触れるたびに満たされるものがあった。もう一つが料理。どうしたらこの味になるのかまず疑問に思ったのがきっかけだ。勉強の間にも料理を母と作っては経験を重ねた。
さあ、今日は彼とどんな話をしようかと、考えているとカランカランと心地のいい音が鳴った。
「先週ぶりだな!」
彼は笑顔で私に声かける。彼も少しは私に会えることに喜びを感じているのだろうか。…そうだといいな。
「いらっしゃい!どうぞ、好きなところへ座って」
すると最近自分の席が決まったみたいで、私の料理するのが見える目の前のカウンター席に座った。すぐにお手拭き、水を渡して今日のメニューを一応聞く。
「今日はどうしますか?」
すると変わらない答えが返ってくる。
「おすすめのメニューで!」
相変わらず、毎度のことながら私に決めさせるのだ。…うーん…
「じゃあ…すき焼きセット…とか?ちょっと金額上がるけど」
そういうと彼は
「すき焼きか!最近食べていなかったな…」
「なら決まりだね!金額はこのくらいだけど」
私は彼に金額を見せる。すると笑顔で問題ないと答えてくれた。
「わかった、ちょっと待ってね」
すき焼き一人前。そう言えば今日一番いい肉をもらったんだっけ。
意外にも私は顔が広いので、そういうツテは沢山あった。特に「おやっさん」には御贔屓にしてもらえているので、新鮮な物を普通より多めに入荷してくれるのだ。ありがたい。
一人用の鍋を用意する。
まずはネギ焼き、香りを出す。その後に肉を両面焼き、醤油、砂糖、みりんを少々。少し煮込んで、焼き豆腐を入れる。時々上下をひっくり返しながら他の具材…椎茸、白菜、春菊を入れて…
おたまで少しだしを取り、味を確認。…うん、やはり醤油と砂糖の同割が一番おいしくできるな。
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スプラン(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます!すみません、剣道に関してはど素人で適当につけた設定でした…!詳しく調べて、改めて書き直します!ご指摘ありがとうございます! (2020年2月19日 22時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - すみません、大変面白く読ませてもらっているのですが、一つ気になることが…。9話で主人公さんが「剣道6段」を所持しているとのことですが、まず、剣道6段の昇段試験を受けるには、年齢制限で最低28歳になってないといけません。少し現実的ではないかと… (2019年9月16日 20時) (レス) id: cb5753e0d8 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - ラムさん» 40票目ありがとうございます(`・∀・´)パソコンの部屋にエアコンがなくて手詰まり状態です…もう少しお待ちください(´・ω・`) (2019年7月29日 0時) (レス) id: 07c7378595 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 40票目の星は頂いたぜ!!ほんとにこの作品にはドキドキさせてもらってます!! 更新頑張ってください!!!!!!! (2019年7月26日 13時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - 星ポッチが30になってました!アリガトウゴザイマス! (2019年7月12日 23時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スプラン | 作成日時:2019年6月24日 23時