35話 ページ40
次の日の夕方。
カランカランと入り口の鐘が鳴る。
「いらっしゃいませ…!」
声がすぼんだのは珍しい双子が来たからだ。
「A姉さーん!お久しぶりです!」
「元気だったー?」
「おー!大きくなったねぇ!有一郎!無一郎!!相変わらず似てるね」
「そうかな?性格は違うと思うけど…」
「ねー」
「いや、二人とも似てる」
彼らとは従妹の関係で、小さいころから一緒に遊んだりしてあげていたのだ。あの時はまだまだちっちゃくてアヒルの子みたいに後ろくっついてたのに…
「それにしても、A姉さんの雰囲気変わったよね」
「なんか今までより柔らかくなったよね」
「そうかな?そう言われても普段と変わらない気がするんだけど…」
「僕たちが変わったって言ってるんだよ?」
「ずーっとA姉さんを見てきたぼくたちだよー?」
「うっ…」
この子たちは…
「あ、もしかして彼氏できたとか?」
ニヤニヤと私を見て意地悪く笑っている。可愛いとは思うが妥協はしない。思いっきり二人にデコピンをかましてやった。
「「いたっ!!」」
「そうやって茶化すのは良くありません」
二人がデコピンで悶えている間に出来立てのパンケーキをことりと置いた。
「ほら、これ食べて早く帰りな。おじさんたちが心配するよ」
「わぁ、ありがとう!A姉さん」
「ありがとう」
口調とかちょっと違うけど、やっぱり性格は一緒だし可愛いんだよなぁ。
「ごちそうさまでした!A姉さん、また遊びに来るね!」
「またねー」
「はい、気を付けてね」
あ、お代もらってない…まぁ、良いか。
「それよりも二週間後のパーティ…」
ある程度予定は立ててある。煉獄さんには他の人になめられないように完璧に仕上げるつもりでいるし、私も少し張り切っているからだ。
「んふふ」
さて、お世話になってる美容院と礼服屋に連絡入れておかなくちゃね?と、双子に見られてるとは気づかずに私は煉獄さんの服を考え続けていた。
___
「…やっぱりA姉さん彼氏できたんだろうね…」
「あんな緩んだ顔初めて見たかも」
「ちょっと寂しいね」
「うん…」
___
人間の心理とは面白いもので、煉獄さんの事を考えていると一日の時間がとても速く感じてしまう。こんなに時が経つのは早かっただろうか?
今夜はあのパーティが催される日である。
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スプラン(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます!すみません、剣道に関してはど素人で適当につけた設定でした…!詳しく調べて、改めて書き直します!ご指摘ありがとうございます! (2020年2月19日 22時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - すみません、大変面白く読ませてもらっているのですが、一つ気になることが…。9話で主人公さんが「剣道6段」を所持しているとのことですが、まず、剣道6段の昇段試験を受けるには、年齢制限で最低28歳になってないといけません。少し現実的ではないかと… (2019年9月16日 20時) (レス) id: cb5753e0d8 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - ラムさん» 40票目ありがとうございます(`・∀・´)パソコンの部屋にエアコンがなくて手詰まり状態です…もう少しお待ちください(´・ω・`) (2019年7月29日 0時) (レス) id: 07c7378595 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 40票目の星は頂いたぜ!!ほんとにこの作品にはドキドキさせてもらってます!! 更新頑張ってください!!!!!!! (2019年7月26日 13時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - 星ポッチが30になってました!アリガトウゴザイマス! (2019年7月12日 23時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スプラン | 作成日時:2019年6月24日 23時