番外編 おはぎ。 続き ページ33
「すまん、止められなかったのだ」
煉獄さんは少し眉を落としてそう言った。
彼の表情を察する当たり、私が戻ってきた後に皆で食べることを伝えたが、我慢できずに食べ始めてしまったと言った所か…
「…まあいいよ。食べ過ぎないようにね…ん?そう言えば不死川は…」
視線を彷徨わせ、彼を探した。
「不死川はさっきまでいたけどな…どこに行ったんだ?」
「探してくるよ。ちょっとおはぎ何個か貰っていくね」
小さなお盆におはぎを各2個ずつ乗せて彼を探す。きっとまだ遠くに行ってないだろうという判断は間違えてなかったようで、すぐに見つけることが出来た。
「お、いたいた。」
「何の用だ?」
相変わらず彼はそっけない。
「おはぎ作ったの。よかったら食べない?」
「はぁ!?お前ふざけてんのかぁ!?」
彼は心底とげとげしさが治らないなぁ…
「せっかく作ったんだから、食べてくれるよね?」
笑顔の圧力を加えればしぶしぶと言った様子でおはぎを手に取った。
「毒は入れてないから。安心して食べるといい」
私も一つ取って口に運ぶ。うん、甘さ控えめにしてよかった。食べやすい。
「……」
この人、食べる時だけ静かになるのか…
「もう一個寄越せ」
「おや、随分と気に入ったようだねぇ?」
ニヤリと悪い顔をすればすぐ彼は怒った。
「ごめんごめん!ほら、これ全部あげるよ。気に入っていただけて良かった。じゃあね」
きっと私がいたら彼食べにくいだろうし。さっさとみんなの所に戻ろう。
「A、その様子だと不死川に渡せたんだな!」
「あぁ、美味しそうに食べてくれているよ」
ちらりとおはぎを入れてた入れ物を見ればすでに空っぽになっていた。柱の皆はおいしかった、ありがとうとそれぞれ感謝の言葉を私に伝えてくれた。
「月詠」
「富岡さん、どうかした?」
「…その、今度俺にもおはぎの作り方を教えてほしい」
彼はいつも言葉足らずで、どう話せばいいかちょっと迷っていたのだ。彼と仲良くなるきっかけが出来たのはとても喜ばしい事である。
「よし!今度一緒に作ろう!!」
「その時は俺も手伝おう!」
「お、煉獄さんも作ってみるか?」
「俺も料理を学びたいと思っていたところだったんだ!」
それはそれは。自分の好きなことに興味を持たれるのはとても好感が持てる。
火花が静かに散っていることは無視しよう。
「いやぁ、こんな日もあっていいだろう」
久々に充実した日を味わった。
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スプラン(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます!すみません、剣道に関してはど素人で適当につけた設定でした…!詳しく調べて、改めて書き直します!ご指摘ありがとうございます! (2020年2月19日 22時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - すみません、大変面白く読ませてもらっているのですが、一つ気になることが…。9話で主人公さんが「剣道6段」を所持しているとのことですが、まず、剣道6段の昇段試験を受けるには、年齢制限で最低28歳になってないといけません。少し現実的ではないかと… (2019年9月16日 20時) (レス) id: cb5753e0d8 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - ラムさん» 40票目ありがとうございます(`・∀・´)パソコンの部屋にエアコンがなくて手詰まり状態です…もう少しお待ちください(´・ω・`) (2019年7月29日 0時) (レス) id: 07c7378595 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 40票目の星は頂いたぜ!!ほんとにこの作品にはドキドキさせてもらってます!! 更新頑張ってください!!!!!!! (2019年7月26日 13時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - 星ポッチが30になってました!アリガトウゴザイマス! (2019年7月12日 23時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スプラン | 作成日時:2019年6月24日 23時