18話 ページ21
「そうか!なら俺が両親以外で初めてという事になるな!」
とても嬉しそうに言うなぁ煉獄さん。
「…私も、煉獄さんの事を下の名前で呼んでも構わないだろう?」
そうだ、彼ばっかりずるい。不意打ちでこんなにドキドキさせられて。私の気持ちを味わうがいい。
「杏寿郎」
ぴくっと彼は動きを止めた。おや?どうしたのかな?
「どうした?杏寿郎?」
ほほう、もしや照れてるな?
「可愛い所もあるじゃないか、杏寿ろ…」
「ストップ」
彼は私に顔を背けた。耳赤いからばれてますよ。私は満足して言い放つ。
「結構むずがゆくなるだろう?これがさっきの私だ。頼むから不意打ちはやめてくれ」
心臓が持たなくなりそうだ。
食べ終わった食器を片付けようと席を立ち、洗い場へ着いたとき。後ろから抱きしめられた。
「今言ったばかりなんだが!!不意打ちはっ…」
あっつい。何がって?彼の体温だよ!心臓も同じくらい跳ねてる。
「Aのせいだ」
「わ、分かった。もう呼ばないから!離れてくれ!」
スンスンと匂いを嗅がれてる。恥ずかしい。さっきから離そうともがくが一向に離れる気がしない。
「良い匂い」
「…っ!やだ、離れてっ…」
身体が緊張して震えてる。チュッと首に生ぬるい感触が伝わる。びくりと反応してしまった自分が恥ずかしい。
「可愛い」
太ももに違和感を感じる。これは、煉獄さんの…
「ダメだ!これ以上は!!」
私は全力で彼を否定した。思い切り突き飛ばして距離をとる。彼はハッと気が付いたようだ。
「あ、俺は今…」
「私たちはそういう関係じゃないだろう。大切な人のためにするものなんだから…からかったのは悪かった。二度としない。今のもなかったことにしよう」
「すまない!!」
「忘れよう。それが一番だ…後片付けは私がする。煉獄さんは先に帰ってくれ」
____
煉獄さんが帰った後、洗い物やお風呂を済ませて布団にもぐる。
「やばかったなぁ…」
もう少しである一線を越えてしまう所だった。それ以上に危なかったのは彼の雰囲気だ。いつもの優しいものは全く感じられず、なんというか…肉食だった。
「あんなの反則過ぎでしょ…」
忘れようとか煉獄さんに対して言ったけど、私は忘れられなさそうだった。だってあんな瞳、今まで見たことなかった。
「両想いだったらいいのに…」
彼とはだいぶ前か両想いという事に気が付かないまま、私は眠りについた。
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スプラン(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます!すみません、剣道に関してはど素人で適当につけた設定でした…!詳しく調べて、改めて書き直します!ご指摘ありがとうございます! (2020年2月19日 22時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - すみません、大変面白く読ませてもらっているのですが、一つ気になることが…。9話で主人公さんが「剣道6段」を所持しているとのことですが、まず、剣道6段の昇段試験を受けるには、年齢制限で最低28歳になってないといけません。少し現実的ではないかと… (2019年9月16日 20時) (レス) id: cb5753e0d8 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - ラムさん» 40票目ありがとうございます(`・∀・´)パソコンの部屋にエアコンがなくて手詰まり状態です…もう少しお待ちください(´・ω・`) (2019年7月29日 0時) (レス) id: 07c7378595 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 40票目の星は頂いたぜ!!ほんとにこの作品にはドキドキさせてもらってます!! 更新頑張ってください!!!!!!! (2019年7月26日 13時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - 星ポッチが30になってました!アリガトウゴザイマス! (2019年7月12日 23時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スプラン | 作成日時:2019年6月24日 23時