【イナイレ無印】咲き誇る、紅い華と蒼い華。 (ページ30)

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--咲き誇る26-- ページ30

俯きながら歩きお日さま園に向かう。あぁ言われるのはわかってたけどいざ言われると腹立つわほんっとに。早く帰って漫画でも読んでスッキリしよう。

「あっエルじゃねぇか」

「…あ」

前から私を呼ぶ声が聞こえ顔を上げるとチューリップのような髪型が特徴の南雲晴矢がいた。手には物が入ったビニール袋を持っていて使いを頼まれたのだと思う。多分だけど。

南雲「なーにしてんだよ」

「学校帰りに決まってるでしょう？貴方こそ何してるのよ」

南雲「姉さんに買い物頼まれたからその帰り」

私の推測通りだった。恐らく中身は今日の夕飯の具材と言ったところか。何だろう今日の夕飯は。

南雲「…ってそう言うことじゃなくてよぉ！！なにそんな落ち込んでんだアホｯ！！」

そう考えているといきなり晴矢は大声を出した。その大声で通行人は立ち止まって私達をジロジロっと見る。…アホはどっちだアホ。私は晴矢の服を掴み先にある公園へと逃げ込んだ。

「はぁ…っ、はぁ…っ」

晴矢の服を掴むのをやめ息を整える。体力がないのってほんっとに不便だ。

南雲「なんなんだよ！」

「なんなんだよ、じゃないわよ！あそこで大声出さないでほしいわ！」

幸い公園にはこの時間帯誰もいなく大声を出せたからさっきのところでは出せなかった怒りをここで出す。

南雲「知るかよんなのっ！…で？なに落ち込んでんだよ」

話そらしたなこいつ。落ち込んでるって落ち込んでないと思うが。腹が立っていたんだ私は。

「別に落ち込んでないわ…った？！何するのよ！」

いきなり晴矢にデコピンをされた。地味に痛い。こいつほんっとにアホだ。救いようのないアホだ。

南雲「家族なんだからお前が何かあったってことわかんだよ！いいか？頼れアホっ！」

「…か、ぞく…」

そうだ、この世界ではお日さま園のみんなとは家族みたいなものなんだ。自然と嬉しさがこみ上げてくる。