七話 ページ8
鯰尾サイド
骨喰との畑当番を終え、主様に報告に行こうと二人で歩いていると、キョロキョロと辺りを見回す人影が見えた。
｢あの人って………。｣
｢今日来た新人だな、あそこで何をしている｣
あぁ、主が血眼になって探していた刀か。
俺は先程広間で話していた内容を思い出す。
刀派は三条、薙刀で自称女の乱や次郎さんの様な刀剣男士。
また変わった人がうちに来たものだ。
でもなんであの人がこんな場所をうろうろしているのだろう。
確か案内には今剣が行ったはず、はぐれたのか？この本丸で？まぁ確かにそこそこ広いけれどもはぐれるほどでは無いはず。
俺は頭をグルグルと回転させるが、答が出てくる事は無く、うっとおしくなって声を掛けた。
｢あの、大丈夫ですか？｣
ビクッと肩を揺らし、恐る恐る振り返る確か……Aさん。
｢驚かせてすまない、兄弟、気を付けろ。｣
はいはい、と軽く返事をしAさんの反応を待つ。
『………えっとお主らは、』
驚いた、声まで本物の女みたいだ。俺はまじまじとAさんを眺める。体つきも男と違い華奢で、って
｢もしかして本当に女！？｣
骨喰も同じ様な事を考えていたのかこの失礼な発言には何も言わず、目を見開いていた。
『へ、は、え？……………いかにも、私は女だが？』
あからさまに怪訝そうな顔をする彼、否、彼女の心情はきっとこうだろう。
なんだこいつら
｢いやーすみません。貴方の事をずっと男だと思っていたので。あ、俺は鯰尾藤四郎です。｣
｢俺は骨喰藤四郎だ。先程から兄弟がすまない。｣
骨喰も男だと思ってた癖に、と心の中で悪態をつくが彼には解ってしまう様で、ギロリと睨まれてしまった。
『我が名はA、よろしくな鯰尾、骨喰』
それから少し三人で話していると、どうやら彼女は主の部屋に向かっているが、迷子になってしまい困っていたらしい。
｢丁度俺達も主に報告に行く所だったんだ。｣
｢Aさんも一緒に行きましょう！｣
『そうしてもらえると助かる。 では、行くとするか。』
そうして三人で歩き始めた。
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作者名：海老炒飯 | 作成日時：2017年3月19日 0時
