十三話 ページ14
燭台切サイド
僕は何時もより早めに起き、朝食の支度を済ませ鼻息混じりにある部屋へと向かっていた。
顕現されてから初めての朝きっと彼女は一人では目を覚ますという動作をする事ができないと思ったためだ。
彼女………………。Aちゃんは結局昨日の夜、主が無理矢理部屋を一部屋空け、一人部屋にしたのだ。 そして昨日の夜もう一つの事件がAちゃんの知らぬ間に勃発していた。それはとても恐ろしく静かな戦いだったと僕は記憶していた。
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｢んじゃ、Aの教育係をつけたいんだけど｣
｢あれ？加州君じゃないのかい？｣
我が本丸は緞刀していたときに付いていた刀剣が新人の教育係になる。
Aちゃんを緞刀したときにいたのは三日月さん、………まぁ、彼の性格を考えると教育係候補からは自動的に除外され、今日の近侍の加州君になると思っていたのだが………。
｢最近で新しい時代も出てきて、加州達第一部隊も忙しくなってきてるわけだし余り負担は掛けてたくないんだよなぁ。｣
ここら辺で何時も誰かしら手を挙げるのだが誰も手をあげそうにない。
それもそうだろう。もしここで軽率に名乗り出たら三条の人から何をされるか解らないのだ…
｢三条にしたら解決なんだろうけど、彼奴ら顕現したばっかだし｣
｢光坊、君が適任なんじゃないか？｣
｢ええ！僕？｣
｢お前誰かに世話を焼くの好きじゃないか｣
周りからも 確かに 等と言う声が聞こえてくる。僕は鶴さんを思いっきり睨むと口パクで
(すまない)
そう謝ってくる、早くこの場から抜け出したいのだろう。確かに僕もはやくおわらせたいけど、あんまりじゃないか？
｢燭台切、頼んでもいいか？｣
｢オッケー、僕に任せて！｣
主に頼まれちゃあ、断れないよね。
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まぁ、もう吹っ切れたからいいんだけど……。
相変わらず僕は切り替えが早く自分でもびっくりする。
｢Aちゃん、眠れたのかなぁ？｣
顕現初日、僕達の前に立ちはだかる大きな壁、それは睡眠。
慣れてしまえば何て事ないけれど僕達は眠り方を知らないし、目を瞑るという事は何も見えなくてとても恐ろしいのだ。だから、大半の新参者は睡眠に恐怖する。
というか布団の使い方も知らないのでは？と思い、僕は急いで彼女の部屋へ向かった。
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作者名：海老炒飯 | 作成日時：2017年3月19日 0時
