愛を売る人 … ３９ ページ40
「会わせてくれるんですか？ありがとうございます！やっぱり裕太、ココに居たんですね、良かった！！」
これ以上無いほどの喜びを表し、安堵を込めた笑顔で宮田はオレにそう言った
「ただ会うのは、オレの話を聞いてからにして欲しい、その上で《裕太》に会うか会わないか決めてくれ…」
本当は直ぐにでもユウに宮田を会わせてやりたかった、けど…ココでのユウの事を知って宮田が何を想うのか…オレはソレを確認したいと思った
例え、その先にあるのが哀しみだけだとしても櫻花楼の花魁だったユウと、宮田が探し続けてきた裕太は、同じ人なんだと納得してから会って欲しかった…
ウソを吐けばいいのかもしれない、でもオレはそうしたくなかった、宮田にはユウの全てを知って、その上で短い生涯を終えた《ユウ》を《 裕太》として受け止めて欲しかった
「…どういうことですか？」
訝しげに聞いてくる宮田に、オレは小物入れからある物を取り出した
亡くなったユウの遺品を整理してたとき、出て来たものだった
「宮田…お前、この櫻花楼が何を生業にしてるか知ってるか？」
「…花街なので大体のコトは…けど、オレの故郷はかなり田舎で、こんな華やかな場所に来たのは初めてです…、あの、裕太はこの店で下働きか何かをしてたんですか？」
「…違うよ、…ココは刹那の愛を売る場所だ…対価と引き換えに客と一晩の愛を契る…、そしてオレたちが愛を売るのは、同性…廓の中でも、扱いは最下層だ、ユウ…ココでは裕太じゃなくてユウと呼ばれてた…ユウはこの櫻花楼の花魁だったんだ」
「花魁…って、じゃ裕太は…ッ！？」
宮田の頬にピリッと線が入ったように見えた
傷付いた表情…、オレはその表情を真っ直ぐに視界に入れた、ユウの代わりにユウの切なる想いを伝えてやりたかった…
「行方不明なんかじゃない…ユウは、家の商売を存続させる為に、櫻花楼に身を売られたんだ…、花街に来たのは７年前の春だ…」
その言葉に、ハッと宮田が目を見開いた
「７年前って…オレが修行に行った時だ…、けど裕太そんなの一言も…？」
「言えなかったんだろう…言えば、お前の旅立ちに差し支えるからって…ユウはそういう子だろ…」
我慢して我慢して…
「《いつかきっと、トシが迎えに来てくれる…》って、元の自分に戻れないコトが分かっていても、それでもユウは、1％にも満たない可能性を最後まで胸に抱きしめてた」
宮田の顔が歪む…
「最期って…ユウは今…？」
「もう…いない」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 機会があれば書いてみたいと思います！コメ大感謝です！ (2019年2月9日 19時) (
レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 連コメありがとうございます！ですよねー特にみっくん笑、実際の男子高校生はまだ幼さがありますが、ハマってるのは間違いない笑、でも先生もいいんだよなぁ…、雪華でどっちも書いたな、と懐かしく思いました、学園モノは書いてても楽しいので、樹ちゃんとのエピも (2019年2月9日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 樹ちゃんからの手紙を読む場面は何回見ても泣けてきます。30過ぎると、高校生役って違和感を感じるのに、キスマイは違和感がないのは何なんだろう。特に藤北は… 学園ドラマ出られそうな程に自然に見える(^^; 樹ちゃんと幼馴染と藤北の恋 良いかもです。(^-^) (2019年2月9日 17時) (レス) id: 09c99e26a2 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» エイベたんの《樹エピ 》にまた違うお話浮かびそうで、想像蹴散らしてます、もう掛け持ちはムリ笑、コメ大感謝です！ (2019年2月9日 12時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» ホントなのかわかんない笑、勿論アルバム＆魂は今か今かと期待しております！とりあえずオリコンの結果がドキドキ…そしてトラさん、Mステ…あーもぉ有りすぎて幸せな困り方笑、お話はかなりheavyな展開になるかもです、ヤバいな…宜しければ続き覗いて見て下さいねー！ (2019年2月9日 12時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2018年12月29日 18時
