I wish to be your only one … L.O.V.E ７ th

Precious Lover … ３３７ ページ48

遊月から来ていたメールの件を片付けようと、タブレットに入ってるデータを見返してる時、リビングのドアが開いた

襟ぐりの広いタンクと、ゆったり目のスウェット、髪は洗面台で乾かしてきたんだろう、柔らかそうに空調の風にフワフワと揺れていた

オレがリビングにいるコトに、ちょっと驚いたみたいで「まだいたの？」と聞いてきた

チラ見だけでも、宏光のしっとりとした肌がリビングの照明光でつや玉を作り出してるのが分かる…今の宏光は一言で言うなら《唆る》をまんま体現していた、


ヤバい…色んなトコ反応しそうだ…

オレは目と意識を逸らすように、タブレットに目を向けたまま、先に寝るように促した

同じ部屋には、いない方がいい…

抑えが効かなくて、無理やり行為に及ぼうとしたあの日のひろの傷付いた顔が、オレの記憶から引き戻された


なのに…、どうしてこんな展開なんだ！？

「太輔さぁ、髪の毛柔らかいよなぁ…」
温風が当てられ、指先が絡まった髪を解くように差し入れられる…、ソファの後ろに立ったままのひろが、オレの髪を乾かしてくれていた

辛うじて後ろにいるから、色々助かるんだけど…

「ひろ…一人で乾かせるから、もう寝た方がよくね？」
「うん…寝るけど、明日も休みだしさ…お前タブレット見てりゃいいじゃん…」

って、鼻歌歌いながら温風の位置を変えてくる

「今日さ…ゴメンな」
「ん？」
「ぶん殴って…ゴメン…、痛かったよな」

そう言って、それらしき場所を撫でてくれる…

「痛いよりビックリだよ、ラウンジ出たら目の前にひろいるんだもん」
「あの人、きっと呆れてるよなぁ」
「あーニックか？さっきメール来てたな…Mr.wifeはmost charmingな方ですね！て書いてあったよ！」

「…ソレ、褒められてんの？てかさ、Mr.wifeって…」
「ん、まあ…その通りだよね？」
って答えると、宏光が温風を止めそっとオレの肩に手を置いた


「恥かかせてんな、オマエに、…オレ…」
「なんで！？」
「きっと太輔のコト、全然大事にしてないって思われたよな…殴るわ怒鳴るわ…、はぁどうしよ…」

「まさか、そんなコトあるわけないよ」

ズーンと気落ちした宏光の手を取り、隣に座らせた

「ひろは最高のオレのヨメさんだよ！誰が何を言おうが思おうが、ソレが事実！お前がいたからオレはここまで来れたんだ、感謝してる…」

「太輔…」

ちょっと眉毛下げてオレを見るひろ…その表情は、無意識にオレを煽るだけだ


「…おやすみ、もう上がれよ」

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