I wish to be your only one … L.O.V.E ７ th

Precious Lover … ２９４ ページ5

リビングの灯り！！！

期待感と高揚感に背中を押されるように猛ダッシュして、玄関ポーチを抜けた

慌てふためいてカギを2回も取り落とし、鍵穴にカギ突っ込んでガチャガチャと解錠する、ドアノブをひっ掴んで玄関を開けると、電灯の明るい光が目に飛び込んできた

「太輔っ！？帰ってんのか！！？」

靴を脱ぎ捨てリビングのドアを開けると、ペットボトルの水を飲んでたスーツ姿の男がコッチを向いた

そして、擽ったそうなハニカミ笑顔を浮かべ
「おかえり、ひろ…」と、柔らかい声でそう言ってくれた

「たいすけ…？」
「うんそう、オレだよ、仕事お疲れさん」

そして、ペットボトルのフタを閉めると冷蔵庫に戻した、オレはその動きを立ち尽くしたままずっと目で追った

「どしたの？ひろ」

だって、…ずっと離れていたから、目の前にいるのがホンモノなのかわかんなくて、オレは傍に行くとスーツの片袖を摘んでツン…と引っ張った

「え、なに？」
今度は、太輔が目を丸くして、オレのすることをマジっと見ていた

「ホントに太輔？」
「う、うん…そうだよ…」
「だよな…」
「？…うん、オレだよ」

キョトン…とした表情は、やっぱり太輔で、オレはブワッと胸の奥から逆流してくる感情をそのまま吐き出した

「おまえさ！帰ってくるなら連絡くらいしろよっ！それならなんか作って待ってたのに！！知らねぇから駅前でぼっちで牛丼食っちまっただろっ！！どうすんだよ！作りたくても冷蔵庫なんも入ってねぇんだぞっ！！！」

オレは一体何を言ってるんだ？
久しぶりに会えた太輔と、この会話で合ってんのか？

一気に捲し立てたオレを、太輔はビックリ顔で見返してくる

「あ…ゴメン…そんな怒らせるつもりなくて…、ひろも仕事で忙しいだろうから、オレも晩メシ済ませてきたんだ、だから大丈夫だよ？」

気遣う声音と表情は、やっぱり太輔で…
しょぼん顔を見てると、あーまたヤラかしちゃったと自己嫌悪に陥った

「あ、えと…オレこそゴメン、別に怒ってなんかなくて…せっかく帰ってきたのに、なんもしてやれてないから…悪いなって…」

帰ってくるって聞いてたら、お風呂だって沸かしてたのに…布団だって干しといたのに、太輔の好きなイチゴ、いっぱい買って来たのに…

のに…のに…、ってどれほど太輔が帰ってくるのを待ちわびていたのかが、自分でも信じられない程だった

ちょっとだけ気落ちして目線下げると、ｸｽ…ってちっちゃい笑い声が聞こえた


「ありがと…ひろ…」

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