I wish to be your only one … L.O.V.E ７ th

Precious Lover … ３２１ ページ32

「ってぇっ！！イキナリ何っっ！？」

ビジネスクラスラウンジを出て直ぐ目に入った宏光の姿、それだけでも相当のビックリ仰天なのに、傍に来るなり無言でアタマにバコーンて食らわされたグーパン！

もうオレはこの状況も殴られた意味も分からなさ過ぎて、ジンジンするアタマに手を置き、目の前の宏光を見つめ返した

「この…っウソつきっっ！！！」
「はあっ！？」「What！！？」

そして開口一番の一言と共に胸ぐら掴まれて、オレはもう何が何だか…

これ以上無いくらい狼狽えながら、どうにか聞き返した


「ちょ…っウソって何が！？」
「るっせぇ！！テメェ友達とか親友とか全部ウソっぱちじゃねぇかっっ！！」
「えっ！！？」

「オレは北山宏光じゃないっっ！藤ヶ谷宏光だろっっ！！！」

宏光からのバズーカ砲に、オレは瞬きも忘れ宏光をガン見した

「なんで、そのコト」

けど、オレの質問なんか聞こえてないんだろう…
まるで…縋り付くみたいにオレの胸倉掴んで引き寄せ目一杯顔近づける…真ん丸な目が、一所懸命オレに訴えかけていた

「どうして何にも教えてくれなかったんだよっ！挙句このままアメリカ行っちまうとかぜってぇ許さねぇ！！！オレを置いて一人で行くってんなら…テメェとはもう離婚だっっっ！！クソ太輔っっ！！」

もうその勢いが凄まじくて、周りの視線が一気に集中する、そしてオレのアタマにはなんとも恐ろしい《一言》が矢のようにぶっ刺さった

「り、離婚って…ひろちょっと待って話が見えない！！」
「見えてんだろっ！目の前にいるオレをみろよっ！ここにいんのはテメェのヨメだろっ！！行くなよ太輔ッッ！！」

そのままオレの首に両手を回し、ホールドするようにギュって抱きついた

「ひろ…ヨメって…」
言いかけた言葉は、別の声で遮られた

「ぼ、BOSS、お、お、お取り込み中ですが私はどうしたら…」
「あ…」

オレと宏光の前代未聞の《ふぅふ喧嘩》…いや、一方的な愛の告白に、ニックがオロオロした表情でオレ達を見ていた、そして遠巻きでオレらを見てるのは、見知らぬギャラリー…

唖然呆然のニックと、行かすものかとしがみついてる宏光…オレは速攻でこのＷパニックへの対応を頭の中で組み立てた、ある意味過去最高難度のリスクマネジメント！！

「だ、大丈夫ですか？Mr.wifeがかなりEXCITEしておられますが…」
日本語はまだ拙いニックだけど、宏光の激おこは分かるみたいで、心配MAXの表情でオレを見つめた

てか、Mr.wifeってなんだ！？

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