I wish to be your only one … L.O.V.E ６ th

Precious Lover … ２５６ ページ16

「昨日葬儀が終わったばかりで、もう後継者会議とは、ジョナスCEOも呆れておられるかもしれないな」

「仕方ないだろう、今後の経営方針によっては投資家がウチから手を引きかねない、、そうなったら元も子もあるまい…」


本社の最上階にある、大会議室…

世界各国の支社から集めれた上席者と、本社の役員がズラリと顔を揃え、間もなく始まる経営会議について、オフレコの会話を交わしていた

「Mr.FUJIGAYA、君は後継者についてどう思う？」

本社在籍のトンプソン執行役員が、二列目に席を取っていたオレに聞いてきた、この男は東洋人に対してあまりいい感情を抱いていない、

言葉は丁寧だが、慇懃無礼と言わざるを得ない、東洋人の上席役員はオレだけ…辛辣な対応をされることも多かった


「私には、何も申し上げることはありません、クロフォード会長、そして亡くなられたジョナスCEOのご意思を継いで、このカンパニーを率いることができる方ならば、全力で支えて行きたいと考えています」

「なるほど、…野心は無いと言うことか…」
「野心？」
「君ほどの実力を持つ男なら、大それた目標を持っていたとしてもおかしくはない、もしや…と思ってね」

「どういう意味でしょうか？」

明らかに上から、そして小馬鹿にした目線と口調に、不快感が湧き上がる

「クロフォード会長は君を高く買っているし、亡きCEOもクロフォード会長には逆らえなかった、いつの間にかJrの信頼も手中に収めているようだしね、…いやいや、いつも完璧な根回し、大した男だよMr.TAISUKE FUJIGAYA」

「何を仰りたいのか、皆目見当つきませんが…」

「…東洋人は、正々堂々と言うよりは、周りから徐々に攻めていく形がお好きなようだ、それこそ手を替え品を替え、相手に取り入るのが上手い、私達西洋人にはとても真似出来ない独特な文化があるものだと思ってね」

要するにご機嫌取りだと言うことか…
バカらしい…何を…

反論すらウザったいが、売られたケンカだ、どう返そうかと思っていると

「Mr.トンプソン、アナタは少し東洋人の手腕を見習った方がいい、敵を作るのがお上手なのはビジネスマンとしては些か低レベルだ、…ああそうだ、こちらのMr.TAISUKE FUJIGAYAのビジネススキルをご教示してもらったらどうかな？、アナタの評判も直ぐに上がると思うけどね！」

横合いから楽しそうに入ってきたのは、オレと同じ年齢のクリストファー・アレン


この若さで、本社システム開発事業部のトップだ

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