Precious Lover … 253 ページ13
「悪かったなぁ、長瀬が暴走して、気ィ悪うせんといてな」
「は、はい…」
「ナニ社長?オレが悪いの?」
「当たり前やん、いきなりカレシだのチューだの、オマエ訴訟レベルやぞ」
「だってよぉ…」
応接室のソファ、オレとただくんの正面に座ってんのが長瀬棟梁と松岡さん…ただくん曰く城島工務店の《ツインタワー》と呼ばれてるらしい
松岡さんは長瀬さんの兄弟子で、関西支店の支店長さん、今回はたまたまコッチに出張で来てるらしい、長瀬棟梁とは違うタイプの《the 漢 》て感じの人だった
「片想いのべっぴんさん登場で、ついつい暴走したんだよなぁ、長瀬!」
「おう、それそれー!本能には逆らえないw」
「長瀬棟梁、ウチの北山ドン引きしとります、くれぐれも手ぇ出さんといてくださいよ!」
「うっせぇなわかってるって!嫁泥棒にはなんねぇよ、てかなれねぇし、あんなヤツが傍にいたんじゃ…」
って、ただくんにべーってして見せると、今度はオレにウインクしてきた、話がイマイチ見えないけど、にしてもこの人色気ダダ漏れだなぁ…
「で、今日の依頼は?」って社長さんが聞いてきた、「それなんですが…」ってただくんがオレに顔を向ける、それを合図に持ってきたラフスケッチをテーブルに並べた
途端に長瀬棟梁と松岡さんの表情がキュッと引き締まる、ラフ画を見る2人の顔は、紛れもなく匠の顔だ……と思った
「おいべっぴん、このデザインのコンセプトは?」
「彩色のある人生、です」
「彩色…?」
「そうです…」
そして、オレは今回のクライアントさんの背景を長瀬棟梁に話した
「少しづつ記憶と想い出を無くしていく人生、いずれはその世界から彩色が消えていくとしても、大切な人と過ごす《今》だけは、キレイな彩色と光に包まれたものにしてあげたい、何もわからなくなったとしても、ここで過ごした時間には愛する人の優しい笑顔と、深く美しい想いが溢れていたことを感じてもらえる様な、そんな空間にしたい…、そう思っています」
《私が先に逝った後も、旺さんの周りにキレイな彩色が溢れていれば、それを私だと思って欲しい…》
この世界には、自分よりも大切に思える人がいる…草壁さんご夫婦は、それを教えてくれた
こんな風に誰かを愛せるなんて、本当に素敵な人生だと思った
ふと浮かぶその顔に、オレはあの言葉を思い出した…
「ホンマにオマエ…わかりやすいなぁ」
「えっ!?」
「はぁ…オレのハートは、やっぱ木っ端微塵かぁ…」
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GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 頑張っております、全てを片付けて、まもなく日本に、帰国です、そして7章に移行します、ホントに長くてゴメンなさい!宜しければLASTまでお付き合い下さればと思います!必ずハピエです!お約束しますー!コメ大感謝です! (2018年10月28日 22時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!コメありがとうございます!何だかこんな展開になっております、さっさと誰かがネタバレすれば終わる事なんですけどwヨメの想いはそろそろ確定しております、いつの間に?!と言われそうですが、その辺は大目に見てくださればとおもいます、ダンナも (2018年10月28日 22時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
pochi - 嫁ちゃん 不安の塊になってますねー(´Д`) 旦那もどんだけいろんなモノ抱えてるのよー(´;ω;`) 全部てなに?どこからどこまでが全部???嫁の想い…完全に旦那を求めてるじゃない!!( ̄^ ̄゜)ぁー お話終わってほしくないけど 早く結末だけ知りたい(ノ∀`) (2018年10月28日 14時) (レス) id: 0d96846f1a (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - のこさん» ありがとうございます、流石です!ただくんは永遠の片想いですね、でもカレはそういう人です、ダンナ、トモくん、ただくん…、ヨメはモテモテですー笑、コメ大感謝です! (2018年10月28日 14時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - のこさん» こんにちは!コメ返、ありがとうございます!ドキドキして頂いて、こちらこそありがとうございます!あともう少しのトコで、すれ違いが起こっています、いつものGayasakura的展開でごじゃいますw《迎えに行く 》と言えないダンナの切なさに気付いて下さり (2018年10月28日 14時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年10月8日 15時